入院24日目 | Poco a poco -難病と生きる-

Poco a poco -難病と生きる-

スペイン語の「poco a poco」は、日本語では「少しずつ」「ゆっくりゆっくり」という意味です。遺伝性による難病、脊髄小脳変性症を患っていると診断された2015年7月(当時34歳)以降、少しずつ身体が動かなくなる恐怖と闘いながら、今日を生きる僕の日記です。恐縮です。

今回の入院を経緯から改めることにする。外来診療で定期的に訪れている多摩総合医療センター。ここの脳神経内科医とは、確定診断後からの付き合い。更には母親の担当医でもあった。役職は部長職。目に見えてベテラン医。今年の3月中旬に往訪。「定年退職です」と彼から。

 

3ヶ月に一度の総合病院。6月の往訪から、担当医が代わった。新任は、年齢にして僕より若い。彼から継ぎ早に質問が飛ぶ。前の先生、カルテの情報が薄くてですね、と困り顔。そんな折、「リハビリ入院なんてどうでしょう」と提案があった。建設的な意見は久しく無かったからね。

 

この病気によるリハビリ入院と聞くと、都内では小平市にある国立精神・神経医療研究センターが有名。一方で、多摩総合医療センターと同じ敷地にある老朽した施設、都立神経病院も受入れが可能。脳神経内科の研究の権威。最低のハードと、最高のソフト。期間は4週間。

 

狙いは2点。検査情報のアップデート。仮にカルテが完璧であっても、引き継ぎは容易ではない。前回の検査入院は5年前。確実に進行しているであろう機能の数々を可視化したい。もう一点はずばりリハビリ。高負荷。理学療法と言語聴覚の分野。脚や舌の動きを何とかしたい。

 

 

ここに至るまで、生活環境に変化があった。まずは仕事。6月末で離職。転職斡旋業を生業とするにも関わらず、絶望的な発声と活舌。日常生活に支障を来すレベル。これにより、安定収入が無くなる。8月下旬には、10年続いた一人暮らしを断念する。拠点を実家に移した。