最悪を想定 | Poco a poco -難病と生きる-

Poco a poco -難病と生きる-

スペイン語の「poco a poco」は、日本語では「少しずつ」「ゆっくりゆっくり」という意味です。遺伝性による難病、脊髄小脳変性症を患っていると診断された2015年7月(当時34歳)以降、少しずつ身体が動かなくなる恐怖と闘いながら、今日を生きる僕の日記です。恐縮です。

最悪を想定して生きる。すると、絶望の淵にいる現状も、まだ随分とマシに映る。例えば食事。もうすぐ始まる病院食。5年前の検査入院で体感したあの味気ない食事。それさえも最悪ではない。本当の最低は誤嚥性肺炎のリスクが進んだ母親に迫られた選択。胃ろうか、点滴か。

 

僕にとっての最高到達点は、交際相手との食事シーンだった。外食が好きな僕に対し、自炊(僕の)が好きで部屋で食事をしたがる彼女に付き合って食べた。あの当時のワクワク感が、今は遠い昔の出来事。翻って今。孤食。でも最悪ではない。まだまだ随分、人間らしさが残る。

 

 

平日の下北沢。区役所(出張所)への手続きの為に訪れている。勿論、自宅から徒歩(リハビリの為)だ。週末になると行列の絶えない人気のラーメン屋が空いている。少し先の不幸を想定。味気ない病院食を想像し、運ばれた塩ラーメンに舌鼓を打つ。まだ僕は最悪ではない。