結婚式 | Poco a poco -難病と生きる-

Poco a poco -難病と生きる-

スペイン語の「poco a poco」は、日本語では「少しずつ」「ゆっくりゆっくり」という意味です。遺伝性による難病、脊髄小脳変性症を患っていると診断された2015年7月(当時34歳)以降、少しずつ身体が動かなくなる恐怖と闘いながら、今日を生きる僕の日記です。恐縮です。

友人の結婚式に参加したんだ。狙いはずばり、新たな出会い。その為に、高いご祝儀を包むのである。美容院にも寄った。スーツは事前にクリーニングに出してある。あとは体形作り。1ヶ月ほどスポーツジムに足繁く通った。多分、それぐらいの涙ぐましい努力はしている。はずだ。

 

相変わらず、主役の二人の笑顔が眩しい。しかし、彼ら以上に眩しい笑顔の女性を発見する。おっと彼女は幼なじみ。化粧一つでこんなにも綺麗になるのか。否、少し会わない間に、随分と美人度を上げた。目が合う。ドキがムネムネする。彼女も頬を赤らめる。お。行けるのか。

 

 

プロポーズは無事に成功。彼女が耳元で囁く。ずっと好きだったんだよ――。超嬉しい。そのまま僕らの結婚式になる。周囲に祝福される。ありがとう。俺、超笑顔。カメラを向けられるが、表情が崩れて写真にならない。ああ。生きていて良かった。こんな嬉しい瞬間がやって来るだな

 

 

……夢だった。朝からしばらく動くことができない。確かに現実的にはあり得ないスピード感だった。恐らく僕は焦っている。これぐらいの体感速度で幸せを追っている。それは、確実に病気の進行が身体を蝕んでいるからだ。目標は現状維持。ただ、それだけではダメなのである。