田っくん商店@代田橋 | Poco a poco -難病と生きる-

Poco a poco -難病と生きる-

スペイン語の「poco a poco」は、日本語では「少しずつ」「ゆっくりゆっくり」という意味です。遺伝性による難病、脊髄小脳変性症を患っていると診断された2015年7月(当時34歳)以降、少しずつ身体が動かなくなる恐怖と闘いながら、今日を生きる僕の日記です。恐縮です。

僕が今の部屋に越してきて、最初に開拓した居酒屋。当時の彼女も何度か一緒に入ったことがある。カウンター越しに店主や女将さんとの距離が近く、趣味や嗜好を共有する間柄になった。「田っくん商店」。それが交際相手との破局以来、一度も足を運んでいない。今日こそは。
 
 
仕事で成果を出した。仲間からの拍手や握手を以て労われる。大きな達成感を持って、家路につく。今日こそは、あの店に寄ろう。駅から部屋まで徒歩1分圏内の途中。小さな商店街の、小さな軒先。お店のご夫婦は、まだ僕のことを覚えてくれているだろうか。満を持して入店。

 

 
僕の仕事は管理部門。人事職である。中途採用だけでなく、入社後の社内研修にもジョインする。僕が追いかけていた人材が、内定承諾をしてくれた。エージェントを介して吉報が届く。人材紹介の営業マン時代に培ったクロージングの功奏だ。ただ、家で待つのは闇である。

 

 
半年ぶりに入店した、かつての行きつけの居酒屋。やはり距離感が驚くほど近い。仕事が変わったこと。交際相手と破局したこと。相変わらず闘病中であることを伝える。込み入った話は、先客がいてはできない。出された日本酒も、一品料理のいずれもが美味しい。

 

 
かつての営業職であれば、内定受諾をゴール地点として業務に従事していた。今は人事職である。厳密に言えば、費用を持ち出しただけで、まだ成果なんて上げられていない。入社した人材が、無事にフィットして、その後に活躍して初めて、僕は仕事したことになる。頑張ろう。