カフェで茶をしばいていると、隣に座る女性同士の会話が気になる。
甲「ちょっと待って、年収2,000万円だって。36歳で。会社経営だって」。
乙「怪しいよ。普通に大学で見つけなって――」。
甲「こっちは、ウケルんだけど。50歳で!年収500万。でも猫可愛い」。
インターネットやスマホアプリで気軽に婚活ができる時代である。
但し、玉石混合。経歴詐称やサクラが混じっていたりもする。
信頼性を金で買う婚活エージェントも、ここに来て躍動している。
通勤で使う新宿駅の構内には、今日も大きな広告が掲載されている。
恋愛結婚とは明確に異なる、婚活サービスを用いた相手選び。
年収や学歴、婚姻歴の有無、子供を望むか否か等、条件ありき。
男性で難病を罹患している人間は、土俵にすら上れずにいる。
不労所得か資産が莫大にあり、介護の必要が無ければ話は別か。
世間では、「難病患者=障害者」という認識を持っているように思う。
就職面でも、障害者雇用枠を設けてあるから大丈夫でしょう、とね。
婚活だって、大手婚活パーティー運営会社が障害者用に募っている。
でも、進行性で遺伝性の、神経系統の難病患者は相手にされない。
結婚を諦めた人間にとって、生きがいとは何だろうか。
識者は言う。誰かの為に生きるのではなく、自分の為に生きるのだ。
違うんだよね。愛があってこそ、人生は鮮やかに輝く。
没頭できる仕事や趣味があれば良いのだが、それもまた難しい。
以前、馬車馬のように他人の恋愛マッチングに世話を焼いていた。
一部の参加者からは、有料化して法人格にしたらと勧められた。
難病に悩み、恋愛や結婚を諦めた僕と同じような患者の為に。
事業化してみたら、どれだけ救われる人がいるのかと想像してみる。

