久しぶりに会った友人から、髪が伸びたねと指摘を受ける。
毎日、鏡に映る自分自身の頭髪を見ているのに、気付かない。
一週間前より、昨日より、明日の方が髪は伸びている。確実に。
急いで予約を済ませ、本日は午前中、美容院に赴いた。
今の家に引っ越してから、美容院も近所に変えた。
同じ系列店だから、引継ぎはスムーズに済ませてくれる。
以前の担当には伝えられずにいた、難病であることを打ち明ける。
新任の男性美容師と、それ以降、良い関係を継続している。
彼女と別れてから、初めての美容院である。
最近は採用面接の予定もなく、散髪の必要性を感じていなかった。
男性は髪が短い方がいいよと言うものだから、それに従っていた。
玄関を開けると、カッコよくなったねと言ってくれる存在は、もういない。
切り替えないといけない。そんなことは分かっている。
午後に行こうと決めていたスポーツジムは、しかし目まいが阻止する。
髪が伸びるのと同じように、体調は日に日に悪くなる。
進行はゆっくりでも、確実に。自分では分からない程度に、確実に。
