小仏城山 | Poco a poco -難病と生きる-

Poco a poco -難病と生きる-

スペイン語の「poco a poco」は、日本語では「少しずつ」「ゆっくりゆっくり」という意味です。遺伝性による難病、脊髄小脳変性症を患っていると診断された2015年7月(当時34歳)以降、少しずつ身体が動かなくなる恐怖と闘いながら、今日を生きる僕の日記です。恐縮です。

朝4:45に起床する。まだ外は暗い。準備をする。朝ごはんも食べる。目的地は高尾山口駅。電車で1時間20分ほど。人生初の単独行。誰とも待ち合わせをしない。ペース配分も、コース取りも、どこまで歩くかも、どこで休憩するかも、全部自分で決める。高尾山は、何度も登ったことがある。勝手知ったる庭である。



7:10、高尾山口から登山スタート。今まで歩かないでいた稲荷山コースを行く。まだ早い時間帯である。行き交う登山者もまだ疎ら。回転性のめまいが心配。なかなかペースが上がらず、後ろから来る登山客に、次から次へ抜かされる。以前は僕が抜く立場にいたのに。衰えは怖い。おっと、焦らない焦らない。



8:45、高尾山頂に到着。ほぼ計画通りのペース配分。足腰の調子は、全然問題ない。地図と睨めっこする。陣馬山まではここから5時間。下山まで、体力が持つか心配である。影信山まで2時間。往復を考えると、これも心許ない。ゆっくり歩いて小仏城山の往復に決める。ランチはあの小屋だ。ラーメンを作ろう。



途中、森林浴が気持ちよく、ベンチに寝そべって仮眠を取った。時間にして10分程だが、こうした自由な行動は単独行ならでは。10:20、小仏城山の山頂小屋に到着。朝食を取ってから5時間半が経過し、空腹である。火器取扱い許可証を貰って、コッヘルとバーナーを用意する。マルタイのラーメンに、ソーセージと玉子を入れる。



帰りも快調。影信山まで行けたかもしれない。高尾山頂からの下山ルートは、流石は超人気の散歩道。途端に、一人でいることの寂しさを知る。13:20には、高尾山口駅に到着。木々は微かに色づき始め、天高く馬肥ゆる秋の空。達成感よりも安堵感。無事に帰ってきた。足がガクガクしてしまっては、一人ではどうにもならないからね。