タイフェスティバル東京 | Poco a poco -難病と生きる-

Poco a poco -難病と生きる-

スペイン語の「poco a poco」は、日本語では「少しずつ」「ゆっくりゆっくり」という意味です。遺伝性による難病、脊髄小脳変性症を患っていると診断された2015年7月(当時34歳)以降、少しずつ身体が動かなくなる恐怖と闘いながら、今日を生きる僕の日記です。恐縮です。

始まりは僕の勘違いだった。きっかけはこうだ。フェイスブックからメッセージが届く。女性の友人。同年代。飲みに行こうと気軽に返信。程なく日程が決まる。ところが彼女のニックネームを思い出せない。誰だっけ。フェイスブックの機能を頼る。共通の友人を確認して固まる。「逗子仲間」の年上女性だった。その後、随分と疎遠になってしまっていた。



彼女がビールをよく飲むことは知っている。店選びは無難に新宿辺りを考えた。そこに、このイベントである。通称「タイフェス」。青空の下で飲むシンハービールが美味しいと評判。待ち合わせの原宿駅。再会する時の緊張ぶりと言ったら。見事な快晴。何年ぶりだろうかと過去を振り返りながら会場入り。大盛況。大混雑である。まずはビールを探す。



たまたまタイミングが合わず、先方からのお誘いを断ること数回。誘われなくなったのは寂しいが、フェイスブックで彼らの集まりを確認するのも寂しかった。意固地になっていたけれど、昼ビールの酔いに、距離感が縮まっていくのが分かる。パクチーは相変わらずだが、この雰囲気は好き。年上の友人の、年相応の雰囲気も好き。ビールが似合う。