もつくし@浅草 | Poco a poco -難病と生きる-

Poco a poco -難病と生きる-

スペイン語の「poco a poco」は、日本語では「少しずつ」「ゆっくりゆっくり」という意味です。遺伝性による難病、脊髄小脳変性症を患っていると診断された2015年7月(当時34歳)以降、少しずつ身体が動かなくなる恐怖と闘いながら、今日を生きる僕の日記です。恐縮です。

既に近所の日枝神社に、2度の初詣を済ませている。除夜の鐘が遠くで鳴り響く中、地元の友人と3名で一回目。その半日後には、家族全員で二度目の参拝。しかしながら近所すぎる。非日常感を味わうには、遠くの、大きな神社に行く必要がある。彼女が実家の東北から帰って来た翌日、15時半より浅草駅で待ち合わせ。目的地は勿論、浅草寺。


烏兎怱怱


予想はしていたが、流石はメッカだけある混雑ぶり。この賑やかさを欲していた。仲見世通りの猥雑さもまた楽しい。お賽銭を放るまで、30分ほど並んだ。おみくじを引くと、吉だった。無難である。立ち並ぶ屋台から、美味しそうな匂いが漂ってくる。よほど物欲しそうな顔をしていたのだろう。隣を歩く彼女が提案する。「ホッピー通りに行ってみよう――」。


烏兎怱怱


浅草は、仕事や私用で何度と立ち寄ったことがある。しかし、浅草ホッピー通りだなんて魅力的な界隈があるとは初耳。一歩足を踏み入れると、なるほど見渡しても辺り一面が安居酒屋。暖簾や看板には、ホッピーや煮込みの文字が並ぶ。訪れたのは「もつくし 」。場末感が滲み出た店内に、若いカップルが多く席を取る。そのミスマッチ感が楽しい。