借金取りの王子 | Poco a poco -難病と生きる-

Poco a poco -難病と生きる-

スペイン語の「poco a poco」は、日本語では「少しずつ」「ゆっくりゆっくり」という意味です。遺伝性による難病、脊髄小脳変性症を患っていると診断された2015年7月(当時34歳)以降、少しずつ身体が動かなくなる恐怖と闘いながら、今日を生きる僕の日記です。恐縮です。

小説「君たちに明日はない」が、ものすごく良かったことを覚えている。クビ切り専門の請負会社で働く主人公の、仕事や恋愛が主軸の物語。その続編があることを、友人の日記(mixi)で知って、書店で捜し歩いていた。結局見つからず、それならばとamazonで注文した。しかし間が抜けていて、連日で購入。中古で買ったのに、これじゃ意味ないね。


借金取りの王子/垣根 涼介
(内容紹介)
村上真介はリストラを請負う会社に勤めるサラリーマン。昨日はデパート、今日はサラ金、明日は生保に乗り込んで、泣かれたり、殴られたり。相性バッチリの恋人陽子は恐ろしく気の強い女で、すんなり結婚とはいかないし、真介の前には難題山積み。だけど明日は来る――。他人事でないリストラ話に思わず涙。働く人必読の面白小説!


amazonのレビューで確認していた通り、前作を超える良作。主眼を主人公に置いた前作と異なり、今作は主人公に面接される、各企業で働く登場人物に焦点を当てている。中でも感動作だった同タイトルの「借金取りの王子」。消費者金融で働く優男と、元上司の女性との恋愛模様は、これはもう誰でも泣けるイイ話。僕は泣いた。電車内で泣いた。