皇居を走った。一人で3周。15キロを1時間25分。最後は足が重かった。
いつも一緒に走っている同僚が、出張で参加できず、でもせっかく走る為の準備をしてきたので、決められた時間に一人で走った。とは言え、沿道には今日も多くのジョガーが走る。抜いたり抜かれたりしながら、過去最長の距離を走ることができた。
つい最近まで、うだるような夏の暑さを感じていたのに、今夜はとても涼しかった。残暑というより、秋の到来を感じさせる気候。火照った体を、涼しい夜風が癒してくれる。体力がついたから、というより、この気候が僕を3周走らせたのだろう。夏が終わる。
さて、一冊の本を読み終えた。今回は小説。初めての伊坂作品。
- 砂漠/伊坂 幸太郎
- (内容紹介)
- 麻雀、合コン、バイトetc……普通のキャンパスライフを送りながら、「その気になれば俺たちだって、何かできるんじゃないか」と考え、もがく5人の学生たち。社会という「砂漠」に巣立つ前の「オアシス」で、あっという間に過ぎゆく日々を送る若者群像を活写。日本全国の伊坂ファン待望、1年半ぶりの書き下ろし長編青春小説!
- 内容は大きく5つの章に分かれている。春・夏・秋・冬・春。大学を入学した春から、2年目の夏、3年目の秋、4年目の冬、そして卒業の春と続く。舞台は仙台。主人公は普通の大学生。ドラマチックな話の展開はないが、ほっこりした温かな印象で物語が進む。キャラ作りが上手。あと、文章が綺麗。淡々とした内容ながら、最後まで読みきってしまう表現力は秀逸。これが伊坂幸太郎か。
どことなく冷めている主人公の性格を、的確に言い表す口癖がなんだか良かった。物語の終わり方も良かった。綺麗な小説を読みたかったので、とても満足。友人に薦められた同著者の「死神の精度」を、次は読んでみようと思う。
さて、この日は仕事中に元上司に呼び出された。会社近くのカフェで落ち合う。「聞いていると思うけど……」と切り出して、自身の、来月中の退職が決まった旨を打ち明けられた。この人は、僕を今の会社に引っ張ってくれた方。前々職の同僚でもある。確かに噂は聞いていた。覚悟もしていたし、致し方のないことだと割り切ろうかと思っていた。
同日、同僚の1名が本日付けで退職した。出会い頭に挨拶されて、唐突なそれに戸惑った。この会社は、人の出入りが激しい。変化のイチイチを気にして、その都度、一喜一憂するのも疲れた。これは、風景だ。僕は、ただそれを見ていることしかできず、そしてそれは、必ず移ろいゆくものである。空の色のように。季節の変化のように。
だから僕は、もう一切の感情は捨てることにする。きっと彼ら退職者のことも、そんな人いたなぁとか思い出したり思い出さなかったり、そのうち過去のことだと風化して、いずれは忘れてしまうのかもしれない。
そんなことは、まるでない、はずだ。