アンテナの歌声は今日も同じ | 相馬圭祐オフィシャルブログ「西陽で部屋の畳が焼けていく」Powered by Ameba

アンテナの歌声は今日も同じ

こんな何もない空にも、

適当に星はあって、

適当に俺もいて、

窓を開けたら誰かの息遣いも聞こえそうで、

右耳からキリンジの唄声も聴こえてきた。

なんだなんだ、急かしたって何も出てきやしないよ、

エイリアンが月の裏を見たいなんて言ったって俺にゃそれをどうすることもできないんだ、ゴメンね、

「夜はいいねぇ」

って小さい頃よく言ってたみたいだ、

今も変わらないな、

「夜はいいねぇ」

一人ごちた、

結果、

右耳からはまだキリンジが唄ってる、

熱燗は少し冷めて、煙草はシケモクになった、

空気清浄機は今日も怒ってる、

タオル掛けと電柱の間に猫が通る、

煙のエスコート付きだ、

「夜はいいねぇ」

今度はハッキリ言う、

振り向いた猫は泣きつかれた声で鳴く、

窓を閉めななんて言われても、俺は今そういう気分なんだ、ゴメンね、

右耳の歌声はいつの間に変わってた、

「窓は開けておくんだよ、いい声聞こえそうさ」

少しびっくりして俺はまた9畳の中でナイトクルージングをする、

気まぐれじゃないよ、

一人ごちた、

今日の夜はよく寝れそうだ。














お相手は私、相馬圭祐でした。