たとえば、だれかに出会って、
「なんて素敵な人だろう」と思ったとして、
「この人と結婚したい」と感じることは、
とても自然なことだと思います。
でも、よく考えてみると、
「結婚したい」という気持ちは、
すでに「結婚」という社会制度に
影響を受けていると思うんです。
気持ちは、じぶんの中から
自然にわいてくるものに見えて、
じつは社会のしくみや考え方の影響を
知らず知らずのうちに受けている。
ふだんはあまり意識しないけれど、
「感情」と「社会のルール」というのは、
切り離せないところでつながっています。
好きな人と一緒にいたいと思うとき、
その先には「恋人になる」「結婚する」
「家族になる」などというように、
あらかじめ用意された選択肢があります。
ぼくらはその中の選択肢から選び、
気持ちを"かたち"にしていくのだと思う。
だから、じぶんの気持ちを
大切にしようとするときには、
その気持ちを取り巻く「社会のかたち」にも
目を向けることが大事なんだと思います。
ぼくらが持つ感情や価値観は、
個人の内側から生まれるだけじゃなく、
その背景にはいつも社会のしくみがある。
令和を生きるぼくたちが、
昭和の時代の考え方に違和感をおぼえ、
「古い」「信じられない」「よくない」と
当時の人たちを否定することがあるけれど、
その考え方だって、当時のルールや
環境の中で育まれたものです。
だからこそ、
感情や価値観を語るときには、
その背景にある社会のかたちや
時代の流れにも目を向けたい。
じぶんの気持ちに正直であるために。
ほんとうに望んでいることを知るために。
じぶんの気持ちが、
どんな社会の中で育まれてきたのか、
なにに影響されてきたのかを知ることは、
とても意味のあることだと思う。
そしてそれは、
これからの社会を考えることにも
つながっていくと思います。
「こういう気持ちが
大切にされる社会であってほしい…」
そう思ったときに、
ぼくたちにできることのひとつは、
選挙に行くことだと思う。
気持ちと社会は、
いつだって深くつながっている。
そしてぼくたちは、そのつながりを
選びなおすことができる。
今日も「わくわく海賊団」に来てくださってありがとうございます。
じぶんの気持ちを見つめることは、
社会を見つめることにつながっている。