『いつも何度でも』の歌詞を考えてみた。 | わくわく海賊団

わくわく海賊団

Compass of Your WakuWaku

 

『いつも何度でも』は、木村弓さんが歌う、

『千と千尋の神隠し』の主題歌です。

(2001年・スタジオジブリ)

 

 作詞は、覚和歌子さん。

 作曲は、久石譲さんです。

 

 この歌は、

 映画の内容と深く重なりながらも、

「喪失と再生・記憶と希望・いのちの循環」

 というような普遍的なテーマについて、

 やさしく、静かに、歌われています。

 

 はじめて聴いたときは、

 とてもかなしい歌に聞こえたけれど、

 いまは、まったく逆の印象を持っています。

 

かなしみは数えきれないけれど

その向こうできっと あなたに会える

 

 たとえば、この部分の歌詞には、

 いくつもの意味がこめられています。

 

 まず「その向こう」というのは、

 つらさや、かなしみ、苦しさ、さびしさ、

 そういう時間のもっと先の未来を

 指しているのだと思います。

 

 そして「あなた」というのは、

 いまは会えなくなってしまった

 "大切な人"のことかもしれないし、

 ほんとうのじぶん、まだ出会っていない

 じぶん自身のことかもしれません。

 

 つまりこの部分は、

「どんなにかなしくても、

 それがずっと続くわけじゃない。

 その先には、かならず会いたかった

 "あなた"にまた出会えるよ」という

 希望のメッセージだと思います。

 

 つらいときほど、

 このことばは胸にしみます。

「きっと会える」そう思えるだけで、

 人は前を向けるのかもしれない。

 

くりかえす あやまちの そのたび人は

ただ青い空の青さを知る

果てしなく道は続いて見えるけれど

この両手は光を抱ける

 

 まちがえたり、つらい思いをすると、

 かなしくなったり、自暴自棄になります。

 

 でも、そのたびに、

 これまで気づけなかった大切なことに

 ふと気づくことがあります。

 

 いつも見ていた空が、

 ある日すごくきれいに見えて、

「空ってこんなに青かったんだ」って、

 思うような瞬間ってありますよね。

 

 それはあやまちを経験したからこそ、

 見えるようになった景色であるのだと。

 

 あやまちをくりかえすことで、

 人はやさしくなったり、強くなったり、

 新しい景色が見えるようになる。

 

 そして、もういちど光(希望)を胸に

 歩みを進めることができるようになると。

 

輝くものはいつもここに

わたしのなかに見つけられたから

 たぶんここが、

 この歌の最も伝えたいメッセージです。

 

 ほんとうに大切なものは、

 外ではなくじぶんのなかにあるよと。

「夢」や「希望」や「安心できる場所」は、

 どこか遠くにあると思いがちです。

 

 でも、そうじゃないよと。

 

 かなしいとき、苦しいとき、

 そこから救ってくれるものだって、

 外じゃなくじぶんのなかにある。

 

『いつも何度でも』という歌は、

 かなしい歌のように思っていたけれど、

 どこまでも希望に満ちた歌でした。

 

 今日も「わくわく海賊団」に来てくださってありがとうございます。

 

 東 亜樹(あずま あき)さんver.も

 すごくいいんですよねぇ。