剣でだれかを刺せば、
致命的な傷を負わせることができます。
剣は武器です。
そして「ペンは剣より強し」です。
その攻撃力の高さを考えれば、
ヘミングウェイの「武器よさらば」さながら
「ベンよさらば」という意見があっても
おかしくないようにも思えます。
剣よりもずっと気軽に
だれもが持てる武器という意味でも
ペンの威力は絶大でしょう。
ただ「人間らしさ」を育んできたのも、
ペンであるという事実もあります。
人間は「ことば」を得たことで、
ほかの動物と一線を画す進化をしてきた。
いまの社会は「ことば」をたくさん知り、
上手に使える人が得をする仕組みです。
「ことば」が「人間らしさ」を
今日まで育んできた進化のなかで、
そこに格差が生まれるのもまた
必然な流れなのかもしれません。
頭のなかの絵空事(フィクション)を
文字に起こすのが得意というだけで、
立派な小説家として「先生」と呼ばれます。
社会的地位を築くにあたっては、
「ことば」を使う巧さは必須です。
でも、同時にこうも思います。
「ことばの余白」にこそ、
「ほんとうの気持ち」はある、と。
「ことば」として出てきた気持ちは、
それがいいわるいは置いておいても、
いつだって服を着て出てきます。
封を開けたスナック菓子みたいに、
からだから出て空気に触れた瞬間から
「ことば」は「ほんとうの気持ち」とは、
別のものにどんどん変えられていく。
言い負かされることは、
いまの社会では負けになることが多い。
でも「ことば」という道具が、
仮に「葉」なのだとしたら、
「ほんとうの気持ち」は「根」になります。
いくら「葉」を切り落とされたところで、
決して負けにはならないんじゃないかな。
今日も「わくわく海賊団」に来てくださってありがとうございます。
根があれば、ふたたび芽は出る。
やがて木になり、花が咲く。