「思い出」ということばが、
いちばん似合う季節は夏だと思います。
春秋冬にだって思い出はあるはずですが、
思い出といったら夏のイメージです。
理由を考えてみたら、
まずこの暴力的なまでの暑さでしょう。
これは人の思考力を低下させ、
センチメンタル(感傷的)な感情を
呼び起こす状況を生んでいる気がしますね。
それゆえ夏という季節は、
四季のなかで唯一「だらだら」が
絵になる季節なのだと思います。
毎日いそがしく生きる現代人が、
夏のうだるような暑さのなかで低下した
思考力によって「だらだら」する。
そこに生まれた時間の隙間に
思い出が入りこむ余地ができる。
だから夏は思い出の季節になるのかも。
溶けた氷のカランという音が、
こんなにも響くのは「だらだら」と
セットだからだと思います。
どんな話をしたかなんて
話の内容は時間の経過とともに
どんどん薄れてしまうけれど、
「だらだら」で生まれた時間の隙間に
溶けて響いた氷のカランという音は、
写真で切り取ったようにはっきり
記憶に残されるのかもしれません。
今日も「わくわく海賊団」に来てくださってありがとうございます。
だれかの記憶に残りたいなら、
夏を一緒に過ごすのがいいと思う。