たとえば後輩ができると、
いろいろ訊かれるようになります。
「これについてどう思いますか?」
「あれはつまりこういうことですよね?」
メモなんかとられながら
まじめな顔して訊かれたら、
「いや、知りません」とか、
「わかりません」ということが、
どれほどむずかしいか。
ある程度に年齢を重ねると、
それっぽいことをうまい具合に
しゃべれてしまうものだから、
「わかりません」は余計に
口にできなくなります。
わからないことを
わかっている風に言うことを、
何度もくりかえしていると、
知らないうちになんでも知っている
「万能のじぶん」が育ってしまう。
でもやっぱり、
「万能のじぶん」なんてのは幻想ですよね。
知らざるを知らずと為す是知るなり
知らないことを知らないということが
真の知につながるのであって、
知ったかぶりをしていては、
学問も知識も上達しないという
論語の教えにもあるように、
「わかりません」と言えることから、
すべて、はじまるんでしょうね。
今日も「わくわく海賊団」に来てくださってありがとうございます。
無知の知というのは、
思っている以上にむずかしい。