「ぜんぶ、あいつのせいだ」
たったひとりの存在が、
問題の要因そのものであることが
はたしてほんとうにあるのかな。
映画やドラマみたいに、
ひとりの悪いヤツのせいで
多くの人が苦しんでいるなんて
なかなかない気がするんですよね。
こんなことが起こったのは
「あいつ」がダメだからなんだと
スケープゴート(生贄)を見つけて
袋叩きにしてしまえば一時的には
不満も解消されるのかもしれない。
でもたぶん、たいていの問題は、
構造的な欠陥がその要因ですから
だれかが責任をとってやめても
問題の(本質的な)解決にはならず
ことは繰り返されてしまう、と。
仕組みに問題があるのだから、
「あいつ」の代わりがやってきても
つぎの「あいつ」が生まれて、
また「あいつ」のせいだ…。
・ニュースで報道されるのは、
事件の時系列と被害者の背景で
加害者の"これまでの人生"は
ほとんど報道されません。
「あいつ」が異常なんだ。
「あいつ」がおかしいんだ。
「あいつ」みたいな異常者は
この世から消してしまえ。
「あいつ」がいなくなった世界は
ほんとうに平穏になるのかな。
ほんとうに問題は解決して、
世の中は変わっているのかな。
・口内炎の原因が
胃が荒れていることならば、
口(炎症箇所)にいくら薬を塗っても
根本的な治療にはなりません。
「あいつ」を見つけて
こらしめてスカッとする方法は
ある意味で楽(らく)だけれども、
感情を切り離して考えないと
構造上の欠陥の分析(本質的解決)は
ずっとできないままなのかも。
今日も、「わくわく海賊団」にきてくださってありがとうございます。
時と場合によるけれど、
問題の当事者である「あいつ」が
問題の根本的な解決のためには
最も適任者ということもあるから
責任のとりかたもいろいろあっても
いい気もしないでもないような…
時と場合によるけれど、ですが。