ひろーい海のあるところに
だれも知らない島がありました。
そこにはちいさな村がひとつあって
みんなが仲良く暮らしていました。
ちいさな村ですから、
村人はみんな顔見知りで、
家に鍵などありません。
おまわりさんもいなければ、
犯罪なんてものもありません。
たまに酔っ払った人たちの
ケンカはあったりするけれど、
村長がすぐに解決してくれます。
村人たちは、じぶんたちが
しあわせに暮らせているのは、
強い"信頼"関係があるからだ
と、誇らしく思っていました。
激しい嵐の次の朝、
島に外国人が流れ着きました。
船が近くで難破してしまい、
命からがら島にたどり着いた
数十人の外国人たちです。
船が壊れてしまった外国人たちは、
しばらくは帰れないことを覚悟して
島に住まわせてもらえるように
村の人たちにお願いしました。
言葉もちがえば
文化もちがう人たちに、
島の人たちは戸惑っていました。
彼らは外国人たちに
島の外れに住むように言い、
村には許可なく入らないように
厳しい口調で伝えました。
やがて警察ができ、
家には鍵がつきました。
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いま、だれも知らない島なんて
地図の上にはなさそうですけれど、
仲間内では安心できるけれども
部外者(よそ者)には心を許さない
集団や組織ならどうかといえば
似たようなところがあるかも。
島国根性なんていわれるけれど、
"仲間内だけに対する信頼"と
"人間に対する信頼"とはちがってて
きっと、ほんとうの信頼とは、
部外者(よそ者)を含めての信頼で、
それは仲間内だけで仲良くでは
育まれないものなんだろうな。
グローバル社会っていうのは、
きっと"仲間内だけで仲良く"では
機能しなくなってしまう社会で、
部外者(よそ者)をどう信頼して
やっていくがが重要なのかも。
あ、部外者(よそ者)って言い方が
もう時代遅れなのかもしれない。
今日も、「わくわく海賊団」にきてくださってありがとうございます。
外部との関係を閉ざすことで
内側を強くするというやり方は、
これからはむずかしそうです。
内側と外側の境界線を溶かしたのが
ネットの最大の特徴なんだろうな。