いまどきの修学旅行は、
イケてるという話を訊きました。
泊まるホテル旅館が
昔に比べて〈かなりいい〉みたい。
〈かなりいい〉は高価であるという
意味ではありません。
生徒たちがよろこんでいたり、
うれしかったりするホテル旅館に
最近は泊まることが多いんだとか。
ホテル旅館の経営者になったつもりで
理由をいろいろ考えてみました。
昔の旅行客は、ホテル旅館を
大手旅行会社か旅先ガイドブックから
選んで決めていたんだと思います。
あとは、現地の観光案内所とかかな。
自社CMを打てるほど
大きなホテル旅館を除けば、
旅行パンフレットやガイドブックに
連載されないホテル旅館は
存在しないも同然だったんだろうな。
ところが今は、
ホームページができて、
予約サイト、口コミサイトもあって、
お客さんがじぶんで見つけて、
宿泊施設を選べるようになりました。
そうなるとホテル旅館の
努力の方向性も変わってきます。
旅行会社の企画部長、
ガイドブックの編集長、
そして、修学旅行の行き先を
最終決定する先生たちの意見だけに
寄せる必要がなくなったわけです。
意思決定者の数が増えたことで、
たとえば、夜中に先生たちだけに
出される〈豪華な別メニュー〉が消え
その分が生徒たちに還元されたりと。
これは学校に限ったことではなく
どんな組織でも意思決定者は属人的で
その人を押さえることが重要です。
その人の〈鶴の一声〉で
多くのことが決まるわけですよね。
商品や意見そのものではなくて
だれが発案して、だれが賛成したかが
組織における意思決定で有利に働く。
修学旅行についてでいえば、
先生(意思決定者)たちだけに
いい思いをしてもらえさえすれば
来年も選んでもらえる可能性が高い。
予約サイト、口コミサイトは
そんな仕組みをぶっ壊したのかな。
様々な人たちが、様々な価値観で
意見感想を書いていますから、
すべての施設の良い点と悪い点が
明らかにされるようになりました。
ですから、ホテル旅館は、
先生(意思決定者)だけに
気に入られる努力をしていても
ダメになったんじゃないかな。
いまどきの修学旅行が
イケてる修学旅行になったのは、
それまでの旅行業界の仕組みが
ぶっ壊されたからなのかも。
今日も、「わくわく海賊団」にきてくださってありがとうございます。
インターネットの特徴として
境界線を〈溶かす〉という点が
よくいわれているけれど、
これもひとつの例なんだろうなぁ。