ほとんどの哺乳類は、
生まれた時点ですでに
さまざまな状況に
対応する能力を備えています。
たとえば、ヌーは、
生まれて数分で群と一緒に
活動をはじめます。
一方で、ぼくらの祖先は、
200万年前であっても、
赤ちゃんの世話には
非常に手がかかったと
いわれております。
他の動物とちがい、
人間は出産自体に人手が必要です。
さらに生まれてからも、
群の移動に遅れずについて行くだけで
助けてもらう必要があります。
ですから、他の動物のお母さんも
もちろん大変だろうけれど、
アウストラロピテクス(人の祖先)の
お母さんは特に子育てに関して
大変だったんだろうと思んです。
じぶん自身の食事はもちろん、
赤ちゃんを他の捕食動物から
守らなくてはいけない。
ましてや、子供が2人以上になれば
お母さんひとりでは、到底
面倒みるのは難しいでしょう。
他のメスは面倒みてくれないの?
と思ってしまいますが、
よく考えてみると、当時は
今よりも人生はずっと短く、
子供を産める期間も
わずかだったでしょうから、
他のメスが子育てを手伝うというのも
難しかったと思われます。
(チンパンジーのあいだで
メスが他のメスの子育てを
助けるというのは
よく見られるけれど、
やはり限度があるそうです)
このことは、あらゆる群に影響を与え
集団での生活を大きく変えたはず。
具体例として、たとえば、
子育てするにあたり、
オスの助けが確実に必要となるため、
遺伝子の強さとはまた別に、
誠実さ、おもいやり、献身性といった
性質がパートナー選びにおいて
重要になってきました。
ありゃりゃ、だいぶ人間っぽい
話になってきました。
サバンナの猿人たちにとって、
相手を見つけて子供ができたら、
ふたりで協力して育て、
無力な子供を危険な世界から
守ったほうがいいという方向に
進化の圧力が働いたと思われます。
ヒトの進化のなかで、
どこかのタイミングで
家族に似た単位が生まれ、
それと同時に人間関係も
複雑になったと推測されます。
最も信頼できて
裏切らないのはだれか?
それを見極めるために
こみいった策略を用いる必要が
生じたりだとか。
ヒトとチンパンジー、
共通の祖先から枝分かれてして
どのタイミングで
このような変化が起きたのか
特定は難しいようですが、
約300万年前頃だという説が
現在は一般的だそうです。
現在、霊長類のなかで
(例外はあるけれど)
一雄一雌の関係をとっているのは
人間だけだといわれています。
配偶者をひとり選ぶというのは、
危険な環境を生き抜くために、
そして、その危険な大地で
無力な赤ちゃんを育てるために
人間の祖先が選んだ
創意工夫のうえでの結論だった、
そんなふうに思うんです。
今日も、「わくわく海賊団」にきてくださってありがとうございます。
最近の大地は安全すぎるのかねぇ。
by.アウストラロピテクス