
なぜ、ひとの悪口は言わないほうがいいのか。
これについては、ぼくの場合は、高校時代のバスケ部での練習中に、
そのこたえを体感いたしました。
「あぁ、なるほど。だから悪口は言わないほうがいいのか。」と、
もう本当に、分かりやすいかたちで体感したんです。
バスケットの練習には、スリーメンというのがありまして、
3人1組でパスをしながらコートを往復します。
コートを往復しますので、シュートは計2回打ちます。
それをチームで、合計100本連続で入るまでやり続ける、という練習がありまして、
それが本当にキツいんです。
なにがキツいって、かんたんなレイアップシュートではありますが、
外してはいけないというプレッシャーが相当でありまして。
90本連続を超えてからのプレッシャーは、いま思い返しても、嫌ですね。
ふだん、あんなにかんたんなレイアップシュートが、
とてもとても難しいものに感じます。
サッカーのP.K.のそれと似ているかもしれませんね。
そういうプレッシャーを意図的につくりだすのが、
この練習の目的でもあると思うんですが、
まあとにかく、外してしまう選手がいるわけです。
1回ミスしてしまうと、次は外せないと力が入って、また失敗してしまう。
さらに、緊張感がチームを包み、ミスの連鎖というのでしょうか、
シュートミスがまるで伝染するかのように他の選手にも続いたりします。
100本連続で成功しないと終われないので、疲労はどんどんたまっていきます。
疲労が蓄積すると、ミスした選手に対してイライラしやすくもなってきます。
「ドンマイドンマイ。次、がんばろう。」と励ましていた選手も、
だんだんと声を出せなくなってきたりして。
「次で決めよう。」なんて空気になって、
90回を超えたあたりで、ミスしてしまう選手がいたとします。
そうなると、もういちど最初からです。がっかり感がチームに漂います。
このときです。
「ちっ、決めろよな。」「なにやってんだよ、ヘタクソ。」
疲労もたまってくると、ついつい暴言を吐いてしまう場合があります。
これが、おもしろいことに、暴言を吐いてしまった選手というのは、
ほぼ必ず次にじぶんがミスしてしまうんです。おそらく、その暴言が無意識に、
じぶん自身にもプレッシャーをかけているんじゃないかな、と。
ひとの悪口を言わないほうがいい、というのも、
これに似たようなことなんだと思っています。
結局じぶん自身に、余計なプレッシャーをかけることになる。
それはいい意味でのプレッシャーではなくて、悪い意味の、
本当に「余計な」プレッシャーです。
じぶんのためにもならなくて、相手も傷つけてしまうなんて、
「こりゃ、たまったもんじゃないな。」と、
高校のバスケ部の練習で、そう思ったわけでございます。
今日も、「わくわく海賊団」にきてくださってありがとうございます。
これは、他にも、たとえば、「大縄跳び」とかでも同じことが起こると思いますよ。
悪口たまったもんじゃない実験、ぜひいちどお試しあれ。