
上手にしゃべれないって、すごく上手だと思っています。
食レポで、食べた感想をスラスラ話しているときって、
なんだかあんまり、おいしそうじゃありません。
愛のことばが、あまりにスラスラ出てくるような告白って、
なんだかちょっと嘘くさいような気がします。
気持ちが上手に表現できないような場面っていうのは、
いちばん正直なときなんじゃないかと思っています。
この気持ちをどう表現すればいいんだろう、という場面には、
嘘が入るスペースがほとんどありません。
そういう場面はまさしく、小田和正さんのラーラーラーララーラ、
「言葉にできない」んだと思います。
むかし、会社の上司が、
「黙るプレゼンっていうのがあるんだよ。」といっていたけれど、
なんでもかんでも、「上手に伝えればいい」ってもんでもないようです。
気持ちが上手に表現できないような場面、
うまく言葉にできないような場面には、
正直さ、と、もうひとつ、
おもしろさもあるような気がしています。
うわぁ、うまくいえないなぁー。ってときは、
たいていの場合、そこに、おもしろさが隠れているような気がするんです。
ですから、歌や詩、音楽や絵画などの芸術には、
「嘘なき正直な気持ちの、しゃべる以外の代替表現方法」という側面もありそうです。
あぁ、それからもうひとつ。
上手にしゃべれないが、すごく上手だからといって、
いつでもどこでも黙っているは、
今は亡き、高倉健さんの特権であることを忘れてはいけません。
今日もわくわく海賊団にきてくださってありがとうございます。
じぶん不器用ですから、の健さんは、
しゃべるという方法で伝えることが不器用なのであって、
代替表現方法で伝えることは、とてもとてもお上手でありました。
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