
生まれたばかりの赤ちゃんのとき、
ぼくは(きっと)「じぶんらしさ」なんて持っていなかったと思います。
好きなファッションも、好きな音楽も、
「じぶんらしい」と大事にしている価値観なんて持っていませんでした。
赤ちゃんのときのぼくが、唯一大切だったものは家庭です。
子どもを自由奔放に育てる家庭もあれば、厳しく育てる家庭もあって、
そのときすでに、両親は価値観を持っています。
価値観を持っていない(赤ちゃんのころの)ぼくは、自由に動き回ります。
そして、怒られます。戸惑いながらも、だんだん理解していきます。
怒られたのは、両親の価値観とちがうことをしたからだ、と。
両親に嫌われてしまったら、赤ちゃんは生きてはいけません。
(赤ちゃんのころの)ぼくは、両親の価値観に合うような行動をとろうと考えます。
父親と母親の価値観は、多少ちがうので、
それぞれの前でのふるまい方も変わってきます。
ここで学んだんだと思うんです。
「痛みを避けて快感を得る」ためには、
まわりの価値観に合わせることが大切なんだと。
おとなになると、家庭内だけでよかった人間関係が一気に複雑になります。
先生、友達、先輩、後輩、上司、部下。
同性に好かれるために、異性を傷つけてしまったり、
友達に褒められたくて、先生に反抗してみたり、
上司の価値観に合わせると、部下からは嫌われるなんて場面も出てきたりして。
「痛みを避けて快感を得る」ためには、
それぞれの場面で、それぞれの相手に対してのふるまい方をしていきます。
八方美人になりたかったわけではなくて、価値観を使い分けたことで、
それぞれの環境でじょうずにやってきたわけです。
人間関係が複雑になっていくにつれ、合わせる価値観も増えていきます。
そうすると、どれが本当のじぶんなんだか分からなくなってしまいそうです。
この仕事に挑戦してみたい。(快感)
でも、反対する家族に嫌われたくない。(痛み)
部下に慕われたい。(快感)
でも、上司に嫌われたくない。(痛み)
快感を得るための価値観と、痛みを避けるための価値観と、
なんだかもうぐちゃぐちゃです。
「失敗のない成功」とか、「不安のない挑戦」とかを探してみたりして。
この船を進路を、お前が決めるなよ。
大人気少年漫画「ONE PIECE」の主人公、モンキー・D・ルフィのことばです。
価値観でいっぱいになったことで生じるジレンマを克服するためには、
なにを大事にするのか、まわりの環境ではなくて、
じぶんで決めることが大事なんだと思っています。
出世、社会的地位、やりたい仕事、家族との時間、高い給料、
友達との関係、恋人との関係、健康、結婚。
じぶんにとって、ほんとうに大事なものってなんだろう。
そんなふうに考えてみると、もっとシンプルに動けるようになりそうです。
今日もわくわく海賊団にきてくださってありがとうございます。
できるかどうかじゃねぇ。なりたいからなるんだ。
海賊王になるってオレが決めたんだから、そのために戦って死ぬんなら別にいい。
モンキー・D・ルフィ
これが、ブレないルフィの、強さの理由かな、と。