大きな愛情で育てられた人が持つ特有の大胆さ/宮﨑あおいさんインタビュー | わくわく海賊団

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 大学を卒業して、ベンチャー企業でアドバイザーとして
 地方を飛び回っていた時期がありました。
 
 まわりからは「向いている」とか
「才能ある」と言われていたし、自分でもそう思っていました。
 実際多くのお客様に喜んでもらえていました。

 しかし、同じ会社の憧れの先輩とは
 明らかにレベルがちがうんです。

「新卒だからしょうがない」「時間が経てば追いつける」

 どうしても、そんなふうには思えなくて訊いたことがあります。
 先輩の答えは今でもはっきりおぼえています。

「テクニックに頼りすぎかな。
 商品をいいと思ってもらうのに大切なのは技じゃない。
 その商品を自分も大好きであることだよ。
 たとえば、素晴らしい映画に出会ったとき
 それを友達にもお薦めしたい気持ちになるだろう。
 そこにテクニックはいらない。
 友達がその映画を見て喜んでくれる顔を想像する、
 その想像力が足りないんだと思うよ。
 そのためには、もっといろんな経験をしたほうがいいかな」

 この答えにぼくは、コンプレックスを
 見事言い当てられた気分でした。

 当時優秀だった先輩たちは
 みんな波乱万丈な人生を歩んできた方々でした。
「家が貧しくて大変だった」「両親の顔を知らない」
 それゆえに、ことばに重みがある。
 
 世論も「ホームレス中学生」など
 恵まれない環境にいたことが武器である
 という風潮がありました。
 
 それに比べ、自分は恵まれた環境で
 何不自由なく育ってきました。
 こんな言い方バチが当たりそうだけど
「不幸なことに不幸なことがなかった」と
 当時は本気で思っていました。

 そんなときです。
 雑誌で宮﨑あおいさんのインタビューを読みました。
 そこには、
「ぶれないでいられるのは、家族に愛されて育ったおかげだと思う。
 大切なものさえあれば、あとは自由に生きていい。
 細かいことは気にしなくていい、と教えられたから。
 大きな理想や夢を恥ずかしがらずに大胆に持っていられるのは
 大きな愛情で守られて育った、わたしの武器です」
 と、彼女は言い切っていました。

 凄く衝撃を受けたし、救われた気がしました。

 健やかで意志的な宮﨑あおいさんの生き方は
 当時のぼくの指標にも見えました。

 今では胸を張って、自分の生まれ育った環境を
 幸せだと思えるし、武器だとも思えます。

 今日もわくわく海賊団にきてくださってありがとうございます。