１、スペイン戦の内容
基本的にスペインがボールを保持する展開。
そこはわかりきっていたことなので、日本のボールになった段階でどうやって打開するかが課題だったのだが・・・。
日本のボールになったタイミングでも、スペインは真面目に前からプレスを掛けていて、最終ラインからでも組み立てしにくい状態。
それなりにパスカットもするのだが、そこから上手く組み立てが出来ない。
明らかにこれまでの3戦の相手よりもレベルが上がっており、やりずらそうな展開が続く。
前半11分にフェルミン・ロペスに簡単に得点を取られると、主導権を握れないまま時間が経過。
そんな中、前半40分にジョエルのパスを受けた細谷が技ありの一撃を放つも、VARで足先だけオフサイドとゴール取り消し。
オフサイドなら仕方が無いのだが、少なくともオンフィールドレビューはすべきだと思う。
ワールドカップでもVAR誤審があったのだから、主審が最後まで確認して判断すべきじゃないのか？
全体的にこの試合の審判のジャッジは良くわからないものが多く、一貫性は無かった。
前半ロスタイムにもFKから決定機も、ポストに嫌われる。
そのまま前半終了。
劣勢ではあるものの、1点差であればまだわからないという期待を感じさせ、後半へ。
山田を藤尾に代えて、やや攻撃的にシフト。
後半２２分には斉藤を佐藤に交代。
後半28分にコーナーキックからまたフェルミン・ロペスにゴールを決められ2点差。
後半29分に三戸に代えて植中、39分に山本に代えて荒木を投入も、41分に3点目で万事休す。
２、スペイン戦寸評
GK 小久保
この試合ではビッグセーブは見せられず。
DF 関根
試合状況もあり、守備に奔走することに
DF 高井
対面する9番の対応に苦慮した
DF 木村
3失点残念だが、セットプレーのチャンスで枠内に飛ばせず。
DF 大畑
サイドバックが絡んで展開するシーンはほとんど見られず。
MF 藤田
幻のアシストを見せたりと、劣勢の中でも存在感を発揮。
ただ、これまでの試合のような活躍は出来ず。
MF 山本
要所要所で攻守バランスを整えたが、決定的な仕事は出来ず。
MF 三戸
シュートシーンもあり、可能性は感じさせたが、如何せんチャンスが少なかった。
MF 山田
前半のみで交代。
前半ロスタイムに見事なFKを見せたが得点に繋がらず。
MF 斉藤
彼のドリブルでどれだけ崩せるかがカギだったが、全く歯が立たず。
FW 細谷
90分通して得点の匂いは感じさせていた。
オフサイド含めて、得点しておかしくないシーンも多かったが、残念ながら彼の日では無かった。
FW 藤尾
後半からIN。
体の強さを武器に渡り合ったが、決定機は作れず。
MF 佐藤
斉藤に代わって後半22分IN
投入直後からドリブルで仕掛けてファウルを取ったのは良かったが、そもそもファウルかどうか微妙。
よく走ったと思うが、チャンスは作れず。
MF 植中
三戸に代えて後半29分に投入。
中盤の強度を高めようとする意図があってのことかと思うが、あまり効果は無かった。
MF 荒木
後半39分IN
得点を期待されての投入だったが、時間も短く活躍は出来ず。
監督 大岩
劣勢が続くことは想定の範囲内だったと思うが、想定を超えるような一手は打てず。
３、大会通して振り返り
オーバーエイジや久保等の海外組の招集失敗というネガティブなニュースから始まったことを考えれば、予選リーグ1位通過という結果は期待以上だった。
ただ、試合結果を振り返れば予選の3チーム相手の勝利というのは妥当な結果の範疇で、スペイン戦の敗北も不運が重なったことは否めないものの、試合全体通してみれば妥当な結果と言える。
やはり本気でメダルを狙うのであればオーバーエージや同年代トップクラスの招集は必要不可欠で、それが出来ないなら最初からメダル狙いではない参加目的の大会になる。
「年代１．５軍の強化」という目的であれば十分達成されたことになるが、果たして協会としてはどうだったのか？
アンダー世代の育成方法の強化で達成するという考えもあると思うが、一貫性のあるプロジェクトでチーム内の方向性を明確にして強化する方向で達成できるものは達成してしまっている感がある。
色々な制約があるなかでここまでチームの完成度を高めるのは至難の業だったと思うので、監督をはじめスタッフの仕事は評価されるべきと思う。
一方で、それだけでメダル獲得を達成するのは不可能だという現実を見せつけられた感がある。
仮に「メダル獲得」が目標だったのであれば、責められるべきは監督や選手・スタッフではなく、協会ではなかろうか？
※それを考えるとアルゼンチンは大変だろうな、マスチェラーノ。
目標云々の話を除けば、細谷であったり、ジョエルであったり、今後の活躍が楽しみになる大会だった。
よく頑張ったよ！お疲れ様です！