「何とか引き分けた」という印象の第1戦から中3日。

ホームでの第二戦は、試合開始前日まで、チケット販売数がアウェー席の方が多いという状況。

試合当日にはホーム席の方が販売数が上回ったものの、男子に比べると人気の差が明らか。

男子より実績あるのにな・・・。

 

フォーメーションを旧バージョンの3-4-3に戻して挑んだ第2戦。

 

北朝鮮の積極的な入りからスタート。

が、フォーメーション変更が功を奏したのか、中盤から前線へのボールの繋ぎが目に見えてスムーズに。

特に、長谷川をすっ飛ばして田中や藤野に入れる形が良く見られた。

それでもエリア内に侵入できる機会は限定されて、決定機はそれほど作れず。

 

一方で、攻撃に人数をかけない北朝鮮も決定機は少なく、ジリジリした時間が続く。

何故か第1戦で驚異だった17番を控えに回しているのは謎だったが、7番が巧みにボールをキープして少ないチャンスを活かす。

 

試合が動いたのは25分のセットプレー。

スタメン抜擢の北川のボールの競り合いから最後は高橋が押し込んでゴール。

待望の先制点を取った。

 

その後、攻勢を強めた北朝鮮に前半終了間際に危険なシーンを作られるが、山下がゴールライン上でセーブ。

 

リードを保ったまま前半終了。

後半開始から北朝鮮が何か仕掛けてくるかと思ったが、メンバーチェンジは無し。

スコアが動かないまま試合が進む中、66分に北朝鮮は3枚換えで、第1戦で驚異だった17番を投入。

全体的に強度を強めてくる。

そんななか逆に日本は右サイドから清水が切り込み、マイナスのクロスに藤野が飛び込んで追加点。

 

2点ビハインドの北朝鮮はより圧力を強め、日本も押し込まれる時間が多くなる。

南のパスミスからキーパーとDFの間に上手く入れられたボールを技ありのループで1点返され2-1に。

 

80分を超えたところから疲労も目立ち出している中、何故か交代カードを切らない日本。

いたずらに流れが変わることを嫌がったか?

89分に2枚換えをして、リフレッシュ。

そのまま何とか逃げきり、見事パリ行きを決めた。

 

2戦戦ってみて、北朝鮮は強かった。

17番と7番のボールキープやポストプレイには散々苦しめられたし。

引いて守っているかと思いきや、急に圧力を掛けたりと、緩急自在。

レイトタックルや足裏タックル等、いくつか気になる傾向はあったが、フィジカルの強さは脅威だった。

2カ国しか行けないって過酷だよね。

 

選手寸評

 

GK 山下

前半のゴールライン上のクリア等、気持ちの入ったセービングでチームを支えた。

失点シーンは見事にやられたが、終始存在感を発揮。

 

DF 高橋

第1戦は17番の対応に手を焼いた印象だったが、3バックで安定したのかこの試合は安定したディフェンスを披露しつつ、値千金の先制弾を決めた。

 

DF 熊谷

第2戦は3バックのセンターに。

やはりこのポジションの方が安定感がある。

キーパスよりも横パスが多かった印象だが、前の準備が整うまでの調整と考えれば致し方ないか。

セットプレイ時には前線に上がり、先制点のシーンもしっかり詰めていた。

失点の際も周囲に声を掛けてチームを安定させた。

 

DF 南

失点のきっかけになったパスミスは痛い。

ちょっと終盤にスタミナ切れを起こしていた印象。

いままでそんなことは無かったので、長距離移動の疲労があったか?

 

MF 清水

今日も躍動していたが、今日は一段と気持ちが入っていた。

前半のタッチラインギリギリで残して切り込んだシーンや、2点目のアシストシーンは象徴的だった。

3バックの効果か、藤野・長谷川との連携もスムーズ。

田中も絡みやすいせいか、華麗なパスワークを見せた。

 

MF 北川

遠藤負傷による追加招集がこの大一番でスタメン抜擢。

左利きを活かして、いくつかチャンスを生んだ。

先制点のセットプレーをはじめ、キック精度が持ち味のようだが、単騎で仕掛けるドリブルは無く、守備面で強度不足を感じるシーンもちらほら。

 

MF 長谷川

前回よりも低い位置でのプレイになったが、どのポジションでも上手くこなす。

攻撃参加が減少するのは残念ではあるものの、チーム全体の安定感は向上した。

 

MF 長野

やはり長谷川とのダブルボランチはやり易いのだろうか?

長谷川と縦に並んだ形から攻守に顔を出し、前回に比べて明らかに存在感が増した。

 

FW 藤野

今回は3トップの右

小さいからだで見事なヘディングで2点目を決めた。

本人の試合後のコメントにもあったが、積極的な姿勢で攻撃に参加した。

藤野だけではないのだが、この日は結構無理目に中央崩そうとするシーンが多かった。

 

FW 上野

初スタメン?

得点能力を買われて抜擢されたと思われるが、これといったシュートシーンは無し。

よく頑張ったと思うが、ボールロストもちらほら。

 

FW 田中

ポストプレイとファーストプレスを繰り返し、何度も北朝鮮の悪質なチャージを受けながら献身的なプレイ。

得点は無かったがチームのために汗をかいた。

 

FW 清家

上野と交代で63分IN

シューター枠での交代と思われるが、肝心のシュートはほぼ枠外。

藤野の2点目のシーンでは藤野より前にシュート位置に入っていたのだが、結果的にはおとり役に。

 

DF 古賀

89分に北川と交代でIN

守備要員として入ったが、なかなかどうしてドリブルでの切り込みも見せた。

 

FW 植木

89分に田中と交代でIN

プレスマシーンなので、もっと早くに投入されても良かった気がするが。

 

監督 池田太

第1戦から旧バージョンへの変更を決定したのが功を奏した。

選手交代をもう少し積極的に行ってもいい気はしたが、変にバランスを崩すことを嫌ったか。

 

パリまであと少し。

花の都に立つ雄姿。

嗚呼、すばらしき、なでしこジャパン。

 

いざパリへ。