おとなり韓国代表のアジアカップについて忘れないうちにまとめてみます。
1、大会前
監督交代から安定した勝ち星を挙げることが出来ず、「勝った試合は格下のみじゃないか」と言われていた。
一方で、ソンフンミン・キムミンジェ・イガンイン・ファンヒチャンと欧州トップリーグで活躍する面々も多く、「歴代最強」と呼ばれていたのも事実。
特にソンフンミンに至っては年齢的にも最後のチャンスの可能性が高く、否が応でも期待が高まるところだった。
2、大会成績
初戦のバーレーン戦こそ3-1で勝利したものの、2戦目のヨルダン、3戦目のマレーシアに引き分けと、本来であれば3連勝しても良い相手に対して1勝2分。
結果的に決勝ラウンド初戦の相手はサウジアラビアに、こちらも先制されあと一歩で敗退のところでロスタイム同点からの延長PK戦で辛くも突破。
次戦のオーストラリアもあと一歩で敗退のところでロスタイムPKから延長戦で突破。
で、準決勝は予選で引き分けたヨルダンに2-0で完敗。
結局、大会中6試合を戦って、90分で勝った試合は1試合のみと戦力的なものを考えれば、物足りない結果のまま敗退というところだった。
3、試合そのものについて
基本的には裏を狙うボールから攻撃することが多い。
あまりパスをこねることはせず、裏を取らない場合はシンプルなパス交換からサイド攻撃をすることが多かった。
あまり難しいことはしないが、5レーンの2レーン目と4レーン目のあたりへのタッチダウンパスが上手く、えぐった位置からチャンスをよく作っていた。
この辺の組み立ては日本代表ではあまり見ないので、正直上手いなと思った。
アジアカップにおいてはボールを保持する時間が基本的に長いので、韓国が攻撃し続ける展開が多く、なおのこと迫力のある攻撃が目立った。
それでもしっかり人数掛けて守られてしまうとなかなか得点にならないのだなという印象。
攻めてる割には何故か点が取れない展開が多かったので、「なんで取れないんやろか?」とは思った。
守備についてはキムミンジェへの依存度が高く、「ほとんど一人で守ってないか?」というぐらいだった。
4、敗因
キムミンジェが累積出場停止だったから。
以上。
5、選手について
①ソンフンミン
紛れもなく韓国代表のエースなのだが、何故か点を取れないシーンが多かった。
普段なら決めているんじゃないかというシーンで何故か阻止される。
ほぼ、全試合出ずっぱりだったので、「これ体力持つんか?」と思いながら見ていたが、魂のプレイを見せていた。
正直、韓国の選手はいけ好かないのも多いが、彼は別。
決して、過去の実績に胡坐をかくこともなく、目の前の試合に全力なその姿勢は涙を誘う。
②イガンイン
大会後に、試合前日のいざこざがリークされたことで、戦犯のように扱われていたが、大会通して調子が良かったのは彼だけ。
何となく顔がムカつくのだが、プレイ自体は素晴らしく、気持ちを前面に出すし、集中を切らさない。
主にプレースキックを担当するのだが、その精度は常に得点の匂いを感じさせる。
いくつも攻撃のチャンスを生んでいたし、彼もほぼ全試合出ずっぱりだったので、ゲームに対する貢献度はかなり高かった印象だった。
昔は不用意にカードもらうトラブルメーカーな印象が強かっただけに、非常に成長を感じる。
③ファンヒチャン
怪我の影響でグループリーグはほぼ出れず。
結果的にそれほど活躍の機会が無かったのだが、こちらもボール持たれると危険な雰囲気を出す。
「持ってる男」だ。
④キムミンジェ
守備の要であり、攻撃の組み立てにも参加するので、手が付けられない。
守備範囲の広さが驚異的で、「そりゃこんなのが後ろにいるなら攻撃もしやすいわ」と思った。
弱点らしい弱点が無い。
下手したら富安より上かもしれない。
⑤チョギュソン
いけ好かない韓国選手の典型みたいな男。
プレータイプは異なるのだが、浅野に通じるイラっと感がある。
ワールドカップで活躍したことで何となく「韓国代表の点取り屋」みたいなポジションにいるが、「ガーナの守備ゆるゆるだったやんけ」なので、それほど凄い選手という雰囲気は無い。
アジアカップではサウジ戦でチームを救うロスタイム同点弾を見せたものの、それだけ。
ヨルダン戦では見事なシミュレーションでカードをもらい、批判の的に。
そんなにイケメンでもないのにイケメンぶってるからだと言いたい。
坊主にしろ、坊主に!
試合で消えている時間も多い。
6、何が悪いの?
特定の選手への依存度が高い印象がある。
ソンフンミンに色んな仕事させ過ぎているせいで点が取れないんじゃないか?という気さえする。
それでも、「ソンフンミンがミドル撃って、セットプレーでガンインが蹴るだけで十分嫌じゃね?」と思うので、もっとシンプルでも良いんじゃないかと思った。
守備に関しては、キムミンジェがいないとどうしようも無く、特に中盤の強度に不安がある。
能力的な問題なのか、やる気の問題なのかわからないが・・・。
内紛騒動についても、ソンフンミンとイガンインが仲が悪いというよりも、ふがいない一部の選手にイガンインが不満を持っていただけで、そこをキャプテンとしてソンフンミンがまとめようとして衝突したんじゃないかと勝手に推測してしまう。
少なくともプレーを見る限り、ガンインは手を抜いている印象は無かった。
両サイドバックのプレーも、結構淡白な印象を受けたので、そもそも選手間にモチベーションの差というか、プロ意識の格差があったんじゃないだろうか?
心持の話になると、簡単には改善されない。
予選通過は問題無いと思うが、韓国代表の問題はしばらく続きそうだ。