今大会ベストバウトが生まれましたよ。

 

日本を下し、グループリーグ1位通過のイラクと、韓国に引き分けて、その後日本戦を回避したヨルダン。

チーム的には似通ったチームと思っていたのですが、戦い方は対照的でした。

 

守備時はしっかり引いて、4-5のブロックを作るヨルダンと、マンツーマン気味に守るイラク。

序盤こそ前からプレスをしていたイラクですが、それが90分出来ないのは日本戦でもわかっていたので、先制出来るかがポイントと読んでました。

 

しっかり下がるヨルダンですが、マイボールにした後は無理にロングボールを蹴らず、いったんつないでから前線へフィード、10番のアルターマリか11番のヤザンがそのまま持ち上がるか二人のコンビネーションでカウンターという展開。

ヨルダンのアルターマリの出来が良く、「コイツ絶対点取る!」と思っていたのですが、点は取りませんでしたね。

 

イラクは日本戦でも猛威を振るった、現在大会得点王のフサインを起点にしたいところだが、ヨルダンの守備に阻まれ中々うまくいかない。

サイドから崩しにかかるものの、しっかりリトリートしてブロックを作るヨルダンにはサイドからの攻撃はあと一歩届かない。

ヨルダンGKのナイスセーブもあり、一進一退の攻防が続く。

 

このまま前半終わるかと思った前半アディショナルタイム、ファジーになったイラク最終ラインの横パスをヤザンが奪い去りそのまま独走し、GKとの1対1を制してゴール。

ヨルダン先制で前半を終える。

 

こうなると、後半はリトリート+アルターマリ&ヤザンのカウンターのヨルダンと、サイドからの空爆のイラク。

耐えていたヨルダンですが、コーナーキック(ニアに走りこむおとりを使って一人だけファーに逃げてフリーになるデザインプレイ)でとうとう同点に追いつかれる。

 

振り出しに戻るも、展開そのものは同じ、ヨルダンは比較的人数を掛けずに攻撃、イラクはサイド攻撃中心に人数掛けて攻撃。

ヨルダンはしっかり人数掛けて跳ね返すのだが、やはり70分を過ぎたところから競り負けやジャンプが届かないシーンも増える。

で、76分。

クロスの跳ね返しがジャンプが足りず流れたボールは、イラクのエースのところに。

ワントラップからの見事なシュートでイラクが逆転。

が、ここからが衝撃のドラマの始まりだった。

 

ゴールを決めたフサインは、ゴール裏のサポーターのところへランニング、駆け付けたサポーターと喜びを分かちあり、そのまま今度は自軍ベンチへ、コーチ陣や控えとたっぷり喜びを分かち合い、そこからしゃがみこんでイスラム風ゴールセレブレーションを・・・。

次の瞬間イエローカードが提示され、2枚目でレッドカード退場。

唖然とするフサインは、ヨルダンの選手に促され退場。

 

さあ、人数が減ったイラクと何とか追いつきたいヨルダン。

今度はヨルダンが人数を掛けて攻勢を始める。

が、時間帯のこともあり、どちらも動きが重く、スコアは動かぬまま。

 

このまま試合終了かと思われたアディショナルタイム5分。

アルターマリのシュートのこぼれ球をもう一人のヤザンが押し込んで同点。

このまま延長かと思いきや、その2分後、GKのフィードが引っ掛かったところからサイドを崩され最後はボランチが上がってのミドルシュートが刺さり逆転。

 

まあ、劇的かつ大爆笑な試合でした。

 

客観的に見ても、細かいつなぎや個人技の部分でヨルダンの方が優れていたかなと思う1戦でした。

それでもセットプレイやエースの得点力でリードしたイラクもよく戦った、現時点で今大会ベストバウトでしょう!