京都にある日本料理店のご主人から、

出汁に関してお話を伺いました。

お店は井戸水を使用していて、お水の硬度を

調べてもらったところ、26だったそうです。

 

東京都水道局のホームページには、

「東京の水道水は、季節や水系により異なり

ますが、概ね50から100mg/L程度と適度に

含まれています」とあります。

京都市上下水道局のホームページには、

「京都市の水道水は硬度40程度の軟水であり、

非常にまろやかでおいしい水です」とある

ことから、26という数値がいかに低いかが

わかります。

 

話をもとに戻しますが、お水がやわらかいので

前日から昆布を入れた昆布出汁を温め、

火を止めてから鰹節を入れるだけで、

鰹の味や香りが出汁に出るそうです。

 

 

「昆布で8割決まる」、

ともご主人がおっしゃっていましたが、軟水だ

と昆布出汁が出やすく、その昆布出汁に鰹節を

入れることで美味しい出汁を作ることができる

ということです。

 

こちらのお店では2種類の鰹節を目の前で削り、

出汁取ったものを小さなグラスで提供くださる

のですが、少量でも繊細な香りとお味を楽しむ

ことができました。

写真は、現在の場所に移転なさる前のお店で

撮影させていただいたものです。

 

 

鰹節の出汁は室町時代の文献にも記されており、

江戸時代になると昆布出汁と鰹節出汁があわさ

ることで相乗効果が生まれるという記述も残さ

れています。

 

昆布は「よろこぶ」に通じて子生婦とも記し、

鰹節は勝男武士または松魚節とも記して勝利に

繋がるなど、縁起のよいものとされてまいり

ました。

 

古来より続く出汁文化を家庭でも受け継いで

いきたいものです。