小笠原家発祥地、南アルプス市の教育委員会と
長清公顕彰会からのご依頼により、
先代の頃より現在に至るまで続いている
小笠原流礼法講座の一環で、
毎年3月は和食または洋食の作法について、
お食事をしながらご指導しています。
新型コロナウィルスの影響でしばらく開催
できず、過日は久しぶりに皆様とお食事を
ご一緒しながらの講座となりました。
毎回、門下の方々が甲府駅にお迎えにいらして
くださるのですが、今回は会場に向かう途中、
加賀美遠光公廟所見学に連れて行っていただき
ました。
加賀美遠光とは、
平安末から鎌倉前期の武将で、
甲斐源氏源清光の子です。
源頼朝の推挙によって、
源氏6人受領の一人として信濃守に任ぜられ、
小笠原家初代小笠原長清の父でもあります。
強風で寒さが深まっていましたが、
そのおかげで廟所左手には富士山、
右手には櫛形山の素晴らしい景色を堪能する
ことができました。
食事作法の講座では初めて参加なさる方々も
いらしたため、今年は和食の心得について、
次の三つのポイントを実践するようにこころ
がけながら、食事をしていただきました。
①箸先の汚れは約3センチ以内にとどめる。
②醤油皿などこぼれそうなものは大きな器は
別として手に持つ。
③嫌い箸(寄せ箸•渡し箸•涙箸など)を避ける。
さらにもう一つ、
大切な心得としてお伝えしたことは、
「相手や周囲にあわせるこころを持つ」
という心得です。
食事のスピードから会話の内容に至るまで、
自分本位にならず、他者への思いやりがなければ、
互いに楽しい時間を過ごすことが難しいからです。
各テーブルをまわってお話をいたしましたが、
礼法を学ぶお仲間との和を大切になさっている
ことを伺い、嬉しさで胸がいっぱいになりました。
南アルプス市教育委員会の方々、
講座に参加くださった方々、門下の方々、
このたびの講座でお世話になった皆様に心底より
感謝いたします。