連載 幼稚園・小学校受験合格バイブル
「早稲田実業学校初等部⑴」 第六章無宗教系附属編(48)
新設校の魅力
濃い学歴度 ?????
保護者属性度 ★★★☆☆(小)
大学受験度 ★☆☆☆☆
早稲田実業学校初等部(平成十四年創立 明治三十四年実業中学として開校)は初等部を創立して時間が浅く、卒業生の社会進出者がまだ存在しません。「濃い学歴の附属」と呼ぶにはもう少々時間が必要ですが、人気の私立附属に短期間で成長しました。
年配者にとっては、早稲田大学の附属としてよりも、どちらかというと王貞治選手が在籍した甲子園常連の野球部を擁する私立校のイメージが強いかもしれません。早稲田大学の附属は高等学院と本庄高等学院が古くから有名ですが、附属中学を持たず一貫校ではないこともあり、最近ではハンカチ王子の名前で人気だった斉藤投手が早稲田大学へ進学したように、早稲田大学へ推薦入学率九十五%以上の小中高一貫校として認知されています。
早稲田実業は大正六年に大学傘下から離脱して以来、昭和三十八年に早稲田大学系列に復帰するまで長い間、実業中高でしたからそのイメージを払拭できなかったのも無理はありません。昭和三十九年に普通科が設置され、平成十三年に創立百周年を期に早稲田鶴巻町から国分寺市本町の新校舎に移転した後、翌平成十四年に商業科募集を停止して男女共学となり初等部を開校して小中高大一貫校として整いました。
校是として『去華就実』(華やかなものを去り、実に就く)を校訓として『三敬主義』(他を敬し、己を敬し、事物を敬す)を創立当初から掲げてきた早実の理念を基に初等部から教育します。
早稲田大学にとって、小学校からの一貫校は悲願だったと思います。近年の慶應の政財界でのめざましい活躍と比較すると早稲田大学は地味な印象があっただけに、初等部からの出身者が増え続けることで稲門会の活性化への影響もあるでしょう。ぜひとも初等部出身者が数十年後の早稲田大学隆盛の牽引力となって欲しいものです。
また、早慶戦に両校の小学生達の声援する姿が見られるのも楽しみです。もともと体育会系の活躍がめざましい早実です。中学受験をしない内部進学生から優秀な選手が登場することも期待できます。小学校六年間の間に好きな事を思いっきり出来るのも受験のない附属小の特権です。第二の斉藤選手が小学校から生まれてくるかもしれませんね。
麹町慶進会 塾長 島村 美輝