連載 幼稚園・小学校受験合格バイブル
「日本女子大豊明(3)」 第六章無宗教系附属編(31)
日本女子大学附属豊明の受験
豊明の小学生の考査は東京の私立受験初日の激戦日に行われています。当然併願が多く、その日は二校の受験を午前、午後でこなす受験生は珍しくありません。豊明の子供の知育考査は一日だけで二日目に両親の面談があり、その後合否が決定します。実はこの考査日程は女子校では珍しく、同日面接か十月中の事前面接を行う学校が多い中で特殊です。
早稲田実業は一次合格者だけが、二次の両親面接に進める考査方式ですが、受験者全員が二日目の両親面接に臨める豊明小は全く別方法と言えます。
これは、十月の面接で保護者を絞り込み、本考査で子供を選抜する傾向の学校(幼稚園受験ではこの形式が多いです)とは逆の考え方で、子供優先で選抜する意図が高いことを示しています。
しかしながらこの方法は、子供が合格点に達していないのに足を運ぶ気の毒な保護者を多数生んでしまいます。併願校が多い家庭は一日目の子供の出来を読み、無駄足を踏まない戦略も必要と言えるでしょう。
以前の日本女子大附属豊明は幼稚園から三回の受験の機会がありました。三年保育では保護者優先選抜。二年保育では子供の方に比重が高い選抜。小学校では完全に子供優先選抜で、全く相応しくない保護者を外す事と、合否すれすれの位置にいる子供の最終決定の為に後に保護者面談を行っていると判断すべきなのです。
この方法は幼稚園で二回の受験機会がある白百合と同じでしたが、平成二十三年度から二年保育の受験を廃止しました。徐々にですが他の附属幼稚園で一般的な、「保護者重視の選抜」になっていくと予想できます。
麹町慶進会 塾長 島村 美輝
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