連載 幼稚園・小学校受験合格バイブル
「学習院幼稚園・初等科Ⅱ 大人と子供の区別をつけさせる」
第六章 無宗教系附属編③
学ぼうとする子ども
学びあおうとする子ども
初等科の教育方針
『大人は大人、子供は子供』
おおらかで伸び伸びとした園生活を送っている園児も、初期には馴染むのに数ヶ月を要するのが普通ですから、学習院らしさを身につけるのも大変なことです。
学習院は幼小を通じて「大人と子供の区別をつける」事を徹底的に仕込まれるので。親であろうと他人であろうと大人の会話や行いに介入しないで待つことができます。
最近の子供は、自分が中心にならないと気が済まない「我の強さ」が目立つ子供が普通で、自分と関係のない事が継続すると大人の邪魔をします。「大人は大人、子供は子供」はいつの時代にも重要な子育ての基本ですが、現代は子供に任せるべき事や、遊びに介入しすぎる親が多すぎるのですから、子供達が区別をつけられないのも当然のことです。
学習院では幼稚園や初等科低学年で「大人と子供の区別をつける」事を自覚させるべく徹底的に手を入れます。待っている間もだらしない態度をとらず読書などをしながら、聞き耳を立てながらもじっと待つ事ができるように躾けます。受験前にそのような態度がとれる子供は現代では少数ですが、考査で「育ち」を確認した上、入園(学)後に磨きをかけます。
昔は家庭で躾ける事が当然でしたが、祖父母と同居も多い学習院幼稚園ですら、現代の育て方は甘くなりがちですから教場で身に付けさせるしかないのが現状です。