連載 幼稚園・小学校受験 合格バイブル
「雙葉学園⑵ 御三家の理由」 第四章 カソリック附属編④
校訓 「徳においては 純真に 義務においては 堅実に」
神に対しても 人に対しても 自分に対しても 誠実に自分のすることは努力と責任をもって 最後までやりとげるように
『御三家の理由』
雙葉学園の教育で最も特徴的なのは、上記の校訓を今もしっかりと実践している事だと思います。それは系列校の田園雙葉や横浜雙葉等でも同様で、出身者や在校生徒から直に感じるものです。
自分の将来についても自分の意志で決定しますから、必ずしも大学進学を優先するわけではなく、魅力ある仕事を目指して専門学校を目指す生徒もいます。
中学受験では女子御三家の代表ですが、東京大学進学の実績を重視する人から、最近の実績で雙葉を省き御二家と呼んだり、巣鴨等の目ざましい結果を出す学校を上に見る風潮が出てきていますが、「御三家」と呼ばれる所以が東大合格者数などでは無い事を、教養ある方は認識している筈です。
近年の実績や費用対効果などしか見えず、その歴史の重みやその存在の意味などに価値を見いだせない、もしくは理解しようとしない人が増えてきて、残念で仕方がありません。
受験を目的とした、レールに乗せるような最近の進学校が最良であるならば、それも結構ですが、それならば雙葉学園のような高い「濃い学歴度」を持つ幼稚園や小学校はお勧めできません。
高偏差値の大学に入学し、有名企業に就職したり国家資格を持たなければ勤務できない職業に就くことは、平凡な人生では出会えない人物たちと共に、社会の中心で働く魅力に溢れていますから、可能性があるなら是非手中に収めて欲しいと思います。
但し、その中で上を目指すなら、人的な魅力も備わっていなければならないことにいずれ気づくことでしょう。人的魅力はレールの上をただ歩む人生では身につけられません。幼少期に魅力ある人材に囲まれ、しっかりとした理念や教えの基に育つことが如何に重要で貴重な体験かは経験者にしか理解できないのです。
雙葉学園が御三家と呼ばれ続けてきた理由は、質の高い教職員、宗教教育者、教養豊かな保護者、フェアーな考査で選抜した優秀な生徒が織りなす人的環境だからです。正に「濃い学歴」の代表校と言えるのです。
あくまでも、知人や教室で縁があった出身者や合格した生徒の保護者に限ってですが、母親たちは皆さん穏やかな表情で落ち着いた佇まいや話し方のできる方々でした。現在は専業主婦でも、職場では活躍されていただろうと想像できる聡明な女性です。
謙虚さの中に芯の強さを持ち幅広い教養をもっています。ご主人や子供に対して深い観察力を持ち、時間をかけて欠点を修正していく我慢強さを持っています。そのせいか奥様の方が大人っぽく落ち着いた方が多いかもしれません。少々褒めすぎと思われるかもしれませんが、現実なのです。