平素よりお世話になっております。アルペン4年の山中新汰です。更新が遅れてしまい、大変申し訳ありません。
昨日、約45日間にわたるヨーロッパ遠征から帰国しました。暖冬の影響でスケジュール通りにはいかない場面もありましたが、着実に成長できた遠征であったと思います。この遠征を通じて得たものは、技術的な成長以上に、自分自身の内面と深く向き合う時間だったように思います。来週からはいよいよ中国でのファーイーストカップが始まります。種目別優勝を目指し、全力で挑んでまいりますので、引き続きご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
船本がブログの最後に深い内容になると思うと書いていたようですが、特別なことは書けないので今回の遠征を振り替って感じたことを書いていきたいと思います。笑
遠征を振り返る中でまず感じたのは、スキーという競技の純粋な「楽しさ」でした。スピードに身を任せる感覚、ポールに当たる衝撃、板が撓む瞬間。そのすべてが、自分の中にある「スキーが好きだ」という感情を何度も思い出させてくれました。大学生になってからは、「なぜスキーを続けているのか」と自問することが増えました。成績が出るから好きだ、得意だから続けていると考えていましたが、今回の遠征でそれは違うと気づきました。結局、スキーが好きな理由はもっと単純で、もっと深い。それは、この競技に触れるすべての瞬間が、まるで子どもの頃の自分を呼び起こすような、ワクワクとした喜びに満ちているからだと気づきました。
一方で、寂しさも強く感じた遠征でした。今回は4つのスキー場を巡り、それぞれの地でトレーニングを積みましたが、その場所ごとに思い出が増える一方で、「この場所を訪れるのはこれが最後かもしれない」という感覚が、常につきまといました。昨年までは「また来年も来るだろう」と思えていたのに、今回は「成績を残さなければ次はない」という重圧が心を支配していました。この思いがあったからこそ、1日1日をより大切に、悔いなく過ごすことができたのだと思います。しかし、夕暮れに1人で散歩をし、空を見上げるたびに胸が締め付けられ、時には涙があふれるほどの寂しさを感じる瞬間もありました。笑える話に聞こえるかもしれませんが、あの時の涙には、これまで自分が積み上げてきたすべてが詰まっていたように思います。
結局、自分はスキーしか語れない人間です。「スキーしかできない」と卑下することは簡単ですが、スキーがあったからこそ、今の自分があるのも事実です。それでも、「スキーがなくなったら自分はどうなるのか」という漠然とした不安は日々大きくなっています。スキーというアイデンティティを失うその日、自分は何をよりどころに生きていけばいいのか。その答えはまだ見つかりません。この不安と対峙し、乗り越える先にある自分を見つけるためにでも、今は目標に向かって全力で挑み続けていきたいと思います。
この遠征で学んだのは、スキーそのものの楽しさと、時間の重み、そして自分の未熟さです。目標を掲げ、それに向かって全力で取り組んできた生き方。それを誇りに思う一方で、嫌なことから逃げてきた過去とも向き合わなければなりません。競技が終わるその時、何を背負い、何を手放すのか。その選択をする日が近づいていることを感じています。
「スキーしかできない自分」であることを武器に変えるために。これからも全力で挑戦を続けていきます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
次は1年の遠藤ななです!