追憶 | JSKSラグビーフットボールクラブ

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【慶應義塾大学体育会所属団体JSKSラグビーフットボールクラブ  Official Blog】

4年の中村です。

4年間のJSで過ごした日々は本当にあっという間でした。下級生のみんなは日々を大切に過ごしてね。
寂しさで胸がいっぱいです。
これまでの時間を振り返り、感謝とともに追憶したいと思います。

近頃は大学院入試や予備試験の論文式試験という厳しすぎる戦いが続き、練習や合宿に参加できず、もどかしい気持ちでいっぱいでした。(11月にも試験があるのが辛いところ)
試験の直前は不安や絶望感に押しつぶされそうな日々でした。ですが、合宿でのみんなの楽しそうな写真や試合での力強いプレーを見て、勝手に勇気をもらっていました。建吾のスクラムからのキャリー、赤川のジャッカル、塩田の元気の出る声などなどそのひとつひとつが私にとっての励ましであり、支えでした。みんなありがとう

振り返れば、私の大学生活の思い出はJSでの活動法律の勉強というわずか2つしかありません。もっとも、前者のおかげで、私はこの4年間を最高に充実したものとして過ごすことができました。JSの縁が私の人生を彩り、より豊かなものにしてくれたのです。

ラグビーを始めたのは高校の頃。今でこそ国内外の試合を見まくり、ラグビーが大好きな私ですが、当初はこのスポーツが嫌いでした。
高校入学時、意志の弱いかつ究極のデブ(体重90キロ越え、ベンチプレス22.5キロ)だった私が、狂気的な勧誘に押される形でラグビー部に入部する流れは非常にスムーズでした。しかし、過酷な練習、タックルへの恐怖、自分のタックルミスが原因となってトライされる重すぎる責任感、先輩の試合に出ても何の役にも立てず怒られるだけの不甲斐なさ、、その他のたくさんの理由によりラグビーを好きにはなれませんでした。
それでも、何度も心を折りながらもキツい練習を重ね、タックル、ボールキャリー、ジャッカルなどの感覚を掴み始めると、段々と自信がつき始め、少しずつラグビーが好きになっていったように思います。死ぬほど嫌いだったラグビーが、いつの間にか自分の一部になっていました。
私はラグビーを通じて、ただの「デブ」から「そこそこマシな選手」として肉体的、精神的に成長し、ラグビーは私のアイデンティティの一部を基礎付ける重要なものになったと感じます。

地道に練習

思い出深い引退試合


そして、大学ではJSに入りました。高校でのきつかった経験から、体育会は考えられませんでしたが、それでもラグビーを続けたいという思いでの決断でした。人生は選択と後悔の連続ですが、JSに入部するという選択だけは一度も後悔したことがありません。
それほど、JSでの日々は楽しくかけがえのないものだったからです。

ラグビーの練習や合宿を心から楽しみにするのは、私にとって初めてのことでした。
そして、私のアイデンティティの一つであるラグビーでみんなの役に立てたことが本当に嬉しかったです。高校時代踏ん張った甲斐があったな、と思いました。
何気ない練習のひとコマ、選手同士で戦術を考えたこと、試合で称賛の言葉を貰えたこと、そして試合後の飲み会、、その全てが私の宝物です。

何気ない練習、この写真擦り続ける
山本大貴さん(2代上の主将)のような尊敬できる先輩の方々や、荒木をはじめ愉快で活動的な同期、矢井、笠川など才能に溢れた後輩たちと出会えたことも一生の財産です。

愉快な同期

そして何より、大好きなラグビーを通じて、仲間との絆を深めることができたことが、一番の思い出です。

2年生、シーズンMVPという身に余りすぎる賞を受賞、一生の宝物

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追憶」という言葉は、「思い出」を格好良く言い換えたものですが、過去の出来事を客観的にではなく、主観的に懐かしむという意味があります。


高校時代の恩師が「部活は思い出作りにすぎない」と言っていたことが、今になって深く胸に響きます。当時のガキな私はその意味が分かりませんでしたが、今ならその言葉の重みを感じます。『ラグビーを仕事にするわけではないお前たちにとっては、勝ち負けが人生や将来を変えるわけではない。だからこそ、仲間と共に努力し、将来振り返れる最高の思い出を作ることこそが大切なのだ。勝てるように練習頑張りなさい』というなかなかなことを言っていたように感じるのです。

これから始まるクラブ選手権で、勝っても負けてもその後の人生は変わらないでしょう。
しかし、勝利の喜びを仲間と分かち合うことで、将来、最高の思い出追憶することができるのではないでしょうか。

いつの日か、あの時の勝利を追憶する日が来ることを願っています。

試合絶対勝ちましょう。