チームダイアリーをご覧の皆さん、こんにちは。1年FW沖野より紹介に預かりました、2年FW小島佑太です。沖野は塾高からホッケーを始め悪ガキ揃いの代の中で頭ひとつ抜けて真面目なやつです。そんな彼ですが噂によると類い稀なる美声の持ち主らしく、カラオケでは福山雅治に引けを取らない“家族になろうよ”を熱唱し圧倒的存在感を見せつけているとのことです。また、背番号を39番にすることでプレイ中に相手選手やレフリーに対する感謝の気持ちを忘れないようにするなど細かいところにまで気が利くまめなやつです。そんな彼のダイアリーについて#41の大塚からクレームが入っていましたので書き記します。大塚曰く自分の名前がダイアリーの中で一度も出てきていなくて寂しいとのことです。生粋のメンヘラ気質ですね。大塚は私の塾高時代の同期ですが今彼と同期の沖野は非常に大変だと思います。ぜひ頑張ってください。

 

 さて、弊部は現在関東大学リーグ戦の最中でございます。先週末の青山学院大学戦に勝利し、なんとかファイナルリーグへと駒を進めることができました。我々の絶対目標である1部A昇格を手繰り寄せるため重要な天王山である3戦が今週末にございます。全勝でファイナルリーグを終え一部Aへの昇格を果たすために部員一同全力で戦いますので、引き続き応援のほどよろしくお願い申し上げます。

 

 さて、前置きが非常に長くなってしまいましたが、本題に入らせていただきます。鬼門と恐れられる2回目のダイアリー、なんとか書き終えましたのでぜひ最後までお付き合い頂けると嬉しいです。

 

 さて突然ですが、皆さんはマルチバースという言葉を聞いたことがあるでしょうか?

マルチバースとは、“現在世界とは別に複数の並行する現実世界や宇宙が存在するという理論物理学の説”(日本経済新聞より)を指します。マーベルの映画でよく利用されるこの考え方ですが、簡単にいえば私たちが今生きているこの一瞬一瞬の中で幾つにも宇宙や現実世界が新たに生まれ分岐しているということです。例を挙げるとすれば、今この瞬間にダイアリーを描き続ける私という現実世界とは別にダイアリーを書くのを辞める私という現実世界が新たに生まれているということです。

 

 私はこのマルチバースという考え方が大好きです。実際にはそのような概念はとても非現実的であると思います。しかしながら、仮にマルチバースが存在するとすれば、全く違う次元に生きる自分自身を自由に想像することができ、非常に面白いです。

 

 例えば、幼稚舎入試を受けた6歳の頃の私。入試の最中、私はトイレに行った際に母の忠告を守らず濡れた手をハンカチではなくズボンで拭いてしまいます。濡れたズボンでトイレから満足気に帰ってきた私を見て母は落ちたと絶望したそうです。しかし蓋を開けてみると私は合格していました。きっと幼稚舎は手をズボンで拭いちゃうくらいお茶目な子供の方が良かったのでしょう。ではもしあの時私が律儀にハンカチで手を拭いていたらどうなっていたのでしょう?試験官は私を型にはまって言われたことしかできない面白味のない子供とみなし不合格にしていたかもしれません。そうして幼稚舎に入れなかった私は両親の期待に応えられなかった後悔からグレてしまい暴走族の仲間入りをしたあげく中学校で家出をし、いわゆるトー横キッズの一員として今頃テレビ出演を果たしていたのかもしれません。

 

 同じく6歳の頃、父親に勧められて体験したアイスホッケーをもし好きにならず、クラブチームに入る決断もしていなかったらどうなっていたでしょう。他にも野球や水泳など様々なスポーツを試すもどれも才能が開花せず早い段階でスポーツは一切諦め勉強に集中していたかもしれません。青春の全てを勉強に費やし、その結果現役で東京大学理科3類に合格。医学部を卒業後には医者としては働かずYoutuberデビューし司法試験及び公認会計士試験にも合格。勉強系Youtuberとして某〇〇玄斗のような人生を歩んでいたのかもしれません。

 

 はたまた、高校3年生の時に留学先の高校を卒業後に慶應義塾に戻ってくるという決断をせずにアメリカの大学に進学をしていたらどうなっていたのでしょう。進学先の大学で勉強とボランティアに励み成績優秀者として2年次にハーバード大学に編入。そこで出会うルームメイトのマークと意気投合し一緒に会社を設立。試行錯誤の末に世界中で大ヒットを起こす新感覚のSNSを開発し、さらにはiPhoneに取って代わる新世代のデバイスを生み出し、世界有数の会社の社長として名を轟かせ普通部の目路はるか教室で普通部生に語りかける。そんなマーク・ザッカーバーグやスティーブ・ジョブスのような人生もあり得たかもしれません。

 

 正直なところマルチバースについて考え始めると終わりがありません。ハリポタのような世界線の宇宙へ分岐しそこでエマワトソンと同級生になって魔法を使えたのでは、マーベルの世界線でアベンジャーズの一員となってサノスと戦っていたのでは、などと訳のわからない妄想にまで行き着く始末です。あそこでああすれば良かった。もっとああしていれば良かった。振り返ってみると私のたかだか20年の短い人生にはたくさんの分岐点があり、その数だけ後悔があります。その一つ一つの決断の先には幾つにも別の世界に生きる私がいるのかもしれません。このダイアリーで挙げたような想像し難い世界で生きる私もいるのかもしれません。

 

 でも過去は過去です。もう戻れません。それに全ての決断が間違いだったとは私には到底思えません。現に私は慶應義塾という素晴らしい学校で学んでおり、大好きなアイスホッケーを10年以上も続けていて、夢だったアメリカへの留学を果たし、最高のチームメイトと友人に囲まれ、何より私を大切に思ってくれる家族がそばにいます。想像するに、これまでに100回分岐があったとしたならば50回くらいは良い決断ができたのではと思います。50%といえば弊部のどのセンターフォワードのフェイスオフ勝率よりも良い数字です。(フェイスオフの勝率は改善できるように練習いたします)。

 

 一方で、マルチバースは私の未来に可能性が溢れていることにも気づかせてくれます。私の前途にはまだ80年分の人生が広がっておりそこには幾多もの分岐点が点在しています。(私は絶対に100歳までは生きる気でいるので80年は確実と睨んでいます。)最高の人生を生き抜くチャンスはまだまだ私に残されているわけです。まずは、最初のステップとして、今年一部Aに昇格できるように出来ることを全てこなし、昇格した世界線を手繰り寄せられるよう頑張りたいと思います。

 

 というわけで、最後はいい感じにまとめられたのかなと思います。何も考えずにただ最近思っていたことを吐き出した文章なので非常に稚拙で冗長な文章になってしまいました。最後までお付き合いしてくださった方々、ありがとうございました。このダイアリーを読むという皆さんの決断が皆さんをより良い世界線へと導くことを願っています。

 

 次のダイアリーは1年マネージャーの横須賀まどかです。幼稚舎卒の彼女ですが、非常に上品な雰囲気があり最初の印象では美術館巡りなんかをしていそうだなぁと思ったのを覚えています。美術館といえば弊部の期待の一年生#41大塚は何故か分かりませんが美術館がとても苦手だそうです。不思議ですね。話を戻します。まどかは練習ですれ違うといつも笑顔で“お疲れ様です”と元気に声をかけてくれる爽やかな美人マネージャーです。そんな彼女とは学校でもたまにすれ違うのですが、必ず私は一人で、彼女は数人の友人を引き連れています。もし私が去った後で、“あの人いつもぼっちなんだよね笑笑”なんて言われていたらショックで寝込んでしまいます。後輩マネージャにこのような絡み方をしていると同期のマネージャー・トレーナーに怒られそうなのでこの辺にしておきます。皆さんも試合などでまどかを見かける機会があるかと思いますので、ぜひ彼女のダイアリーもご覧ください。それではまどか、よろしく!