チームダイアリーをご覧の皆様、こんにちは。本年度、チームダイアリーのトップバッターを務めます、新3年の及川寿暉です。

 弊部は2/23に行われたキックオフミーティングにて、新シーズンが幕開けしました。昨シーズンはリーグ降格を含め大事な公式戦で勝つことができず、応援してくださる方々には大変申し訳ない気持ちでいっぱいであります。この悔しい経験を糧に、部員全員で春に行われる秩父宮杯に向け日々トレーニングをしております。今年度はスローガンでもある「Change as One」を軸に、部員全員でもう一度リーグ昇格を果たせるよう日々精進して参りますので、これからもご声援のほど宜しくお願いいたします。

 さて、そろそろ3回目のダイアリーを書き始めたいと思います。1番最初のダイアリーということで、謎のハードルの高さがありますが、僕なりに温かいダイアリーにしていきたいので、この辺りでコーヒーでも淹れて、お付き合いください。

 僕のダイアリーのテーマを見て察してくださった方もいるかと思いますが、「花は咲く」というのは東日本大震災の復興支援ソングの題名であります。このテーマを取り上げたのは、僕が生粋の宮城っ子だからという訳ではなく、もうすぐ3月11日を迎えるからという訳でもありません。今回このテーマを取り上げる理由は、この震災を受けたことで、まだ未熟だった僕の価値観が大きく変わったからです。

 2011年3月11日14時46分、春風が吹き始めるはずのこの時期ですが、地震に追い打ちをかけるように大雪が降っており真冬の寒さでした。この時僕は小学校が終わり友人2人と下校をしていました。最初は何が起こってるか小学2年生の僕には全く分からず、立っていることができずにすぐに座りこんでしまいました。その時に初めて何か異常なことが起きてると感じました。その後は家には帰らず下校途中にある家の近くの中学校に避難しました。この時は本当に何が起きてるのか分からず、大人の指示に従い、親が迎えにくることを願い校庭で待機していました。ここからあまり記憶がありませんが、手足がとても寒かったこと、自分の子供に会えて泣いてしまっていた親御さんが多かったこと、僕の親が来るのが遅くてとても不安だったことが鮮明に記憶に残っています。中学校の屋根についていた長い棒が余震の影響でずっと揺れているのを眺めていたことも覚えています。それからしばらくして、母親が迎えに来て、無事に帰宅することができました。

 僕の価値観を変えたのはここからです。電気、水道、ガス、全てのライフライン止まりました。この時に初めて、日常にあった「当たり前」を失いました。家は半壊し傾いてしまい、家具が全部倒れ、皿も割れ、足の踏み場がなくなり、その上寒さを凌ぐこともできず、車の中での生活が始まりました。水はなく、トイレは流すことができず、風呂に入るなんてとても贅沢な話でした。インスタントラーメンなど買わない我が家でしたが、その当時はカップ麺にとても助けられました。もうどこに行っても当たり前にあった日常はなく、時間を重ねるごとに、震災の事を大きさを知って行きました。父親に連れられ震災1ヶ月後の被災地を見た時の光景は忘れられません。そこには道はなく、沿道には瓦礫が山積みにされ、生い茂ってた木も全部流され、何がどの瓦礫なのかも判別できないくらいに泥を被り、いつ思い出しても胸が痛くなります。僕以上に「当たり前」を失った方もたくさんいます。あの一瞬の出来事は、「当たり前」をことごとく奪いました。
 1番大きかったのは「アイスホッケー」を失ったことでした。4歳から日常の一部だったアイスホッケーは、しばらく出来なくなりました。アイスホッケーをしたいとも言えない状況でした。こんな状況が続いて、僕の未熟な価値観は変わって行きました。復興が進み当たり前の生活を取り戻し、それから次第に時を重ねるごとに当たり前の生活に感謝できる人間になって行きました。

 いま僕はとても幸せな生活を送っています。当たり前のように学校に通えて、アイスホッケーに打ち込むことができて、炊き立てのご飯食べることができて、温かい家があり、大切な友達と笑い合うことができています。試合に負けて本当に辛い思いもすることができてます。辛いトレーニングもすることができてます。全部自分がやりたいことをやることができてます。これ以上の贅沢はありません。
 今僕はアイスホッケーでは結果を残すことはできておらず、その結果リーグ降格ととても辛い結果とチームに迷惑をかけてしまい、この時期は自分の中では大きな山だと感じています。でも「当たり前」を失ったあの時のことを思い出すと、こんな大きな山があることも贅沢だなーと思います。だからこの一瞬一瞬を大切に、これからも自分らしく下手くそなりにマイペースにこの大きな山を乗り越えて行きたいと思います。

 もしスランプに陥ったり、モチベーションがあがらなかったり、前向きになれなかったりしている人がいるなら、「意外と自分って贅沢だなぁー」って心の中で思ってみてください。意外と幸せなんです。
 
 長くなりましたが、僕の大切な経験談はここでおしまいです。お付き合いくださった方、ありがとうございます。


 次のダイアリーは、新2年の川島隼です。彼は学年は僕と同じで、高校の時からの同期ですが、今となっては後輩となってしまいました。そんな彼は僕の数少ない仲の良い友達の中の1人で、高校の時から一緒にいる時間がとても長く、何を紹介したら良いのか分かりません。1つ言えることは、彼はとても面白いということで、面白いことをしようとして面白いのではなく川島そのものが面白いです。最近は顎髭を生やして「三笘っぽくね」とずっと言っています。先日僕の家でモノポリーをした時は、銀座に家を建てた自分に自惚れて気づいたら破産していました。これ以上色々なことを話すとキリがないので、ここまでにしておきます。では三笘、よろしく!