ダイアリーをご覧の皆様、新年あけましておめでとうございます。2年MG髙木麗よりご紹介に預かりました、4年DFの坂本峻太郎と申します。うららは家も近く、妹と同じ母校ということもあり話題には事欠かないと慢心していながら、送迎を始めて1ヶ月ほどでネタ切れになりかけて焦ったのが昨日のことのように思い出されます。正直途中から何話していたか覚えていません。Apple Musicのプレイリストトップ100:日本、ありがとう。
現在弊部は、主務である私の思いつきで敢行した年末安平合宿を完遂し、3日間の長期オフに突入しておりますが、明日から1月7日の早慶戦に向け再始動する予定となっておりますので、引き続き応援の程よろしくお願いいたします。
さて、私の代表作「シャワー」の投稿から3年が経ち、私も最後のダイアリーを書く時が来ました。「シャワー」といえば就職活動で慶應出身でもアイスホッケー関係者でもない、とある初対面の方にOB訪問をさせていただいた際に、プリントアウトされマーカーまで引かれた状態で「読んだよ。これ」と胸ポケットから出していただいたという輝かしい実績(恐怖体験)がございますが、最終章たる本作もそれに匹敵する名作になって欲しいという願いを込めて執筆いたしましたので、少々長くなってしまいましたが最後までお付き合いいただけますと幸いです。
今回のテーマ、“GOAL”とは私が公式戦で4年間一度も決めることのなかったアイスホッケーにおける「ゴール」ではなく、目標や到達点といった意味です。引退を目前に控えた今、全塾生のうち1割しかいない体育会生として、自分は意味のある大学生活を送ることができたのか、当初考えていた”GOAL”を達成することができたのか、日々自問自答している最中ですので、今の想いを在学中の後輩、未来の後輩、そして未来の自分へ形にして遺したいと考えこのテーマを選びました。
結論から述べますと先程の命題に対しては、「わからない」が今の答えです。理由は単純で、大学入学当初思い描いた4年間の体育会生活とそれにおける目標があまりにも曖昧で、漠然としていたからです。大学入学当初、同期には同じポジションで自分よりキャリアの長い選手が3名入部し、体の線も細い自分は4年間ベンチで終えることも覚悟して体育会スケート部ホッケー部門の門を叩きました。そんな自分が当初思い描いていた”GOAL”は「文武両道」と「3セット目に食い込む」ことでした。あまりにも漠然としすぎた目標ですが、振り返ってみると可もなく不可もない程度に達成したと言えるでしょう。
もう少し詳しく考察してみると、これまでの人生を振り返っても私自身に何か非凡な部分があるわけではなく、周囲から突き抜けるにはその一点に集中して物事に取り組む必要がありました。過去の例では、高校受験で一定の成果を出した経験や、コロナ初期の部活が何もできない3ヶ月で6kg増量した経験がありますが、いずれもその時期他のことには一切目もくれず、ひたすら自分が設定した「明確な”GOAL”」に向けて日々邁進していた記憶があります。そして1つの事に全力で取り組み続けた日々は濃密で、その後の人生の糧となるものであったと今でも自信を持って言えます。では果たしてこの4年間、他のことを一切考えず私はアイスホッケーに全てを注いで”GOAL”に向けて邁進していたかと問われれば、答えは「否」でしょう。しかし意味のある行動・過程とは”GOAL“から逆算して生まれるものであり、”GOAL”が漠然としていた自分にとってはある意味当然の結果であったとも言えます。ここまでの内容を踏まえ、過去の成功体験と比較した時にこの4年間の体育会生活に足りなかったものは「明確な”GOAL”設定」であったと考えます。
人間は失敗を繰り返して成長するという言葉をよく耳にしますが、失敗の理由を分析しなければ次にはつながりません。分析は事実としての結果ではなく、失敗までの一連の過程を評価するべきですが、”GOAL”から逆算した目的意識を伴った行動や、過程でなければなぜ失敗だったのかも論理的に説明できないでしょう。したがって何事においてもまず「明確な”GOAL”」を定めることがその後の意味のある行動・過程を形作り、仮に失敗したとしてもその経験を次の挑戦の糧とすることができるのだと考えます。この考えに基づくと、私の体育会生活は「明確な”GOAL”」が不在のまま終えてしまったため、どのような4年間であったのか論理的に評価できず、先程述べたように”GOAL”を達成できたのか「わからない」ことになってしまいます。少々残念ではありますが、この失敗を糧にして社会人という次のステージで活かしていきたいです。
長々と気難しい考えを書き綴りましたが、元来私は楽観的で過去を気にせず自分が選択した「今」を正解にできるよう行動する性分ですので、この4年間に悔いはありません。まずはこの1週間を全力で駆け抜け、早慶戦で勝利を飾り笑顔で引退することでこの4年間が自信を持って意味のあるものだったと言えるようにしてしまえば良いと考えています。欲を言えば「明確な”GOAL”」を思い描いて、がむしゃらにアイスホッケーにこの4年間打ち込めていればもっと素敵な4年間だったかもしれないな…くらいのイメージです。
一方でたった4年先のことですら漠然とした目標しか立てられなかった自分に、40年にも及ぶ社会人という次のステージの「明確な”GOAL”」は設定できるのか、正直不安もあります。だからこのダイアリーを読んだ先輩方は私をご飯に連れて行っていただいて、次の”GOAL”を思い描くためにぜひ色々な社会人の在り方を教えていただきたいものです。ご連絡お待ちしております。
非常に強引な着地となりましたが、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。これを読んだ後輩が今からでも「明確な”GOAL”」を定め、引退の際に一人でも自信を持って4年間間違いなくやり切ったと言えるようになれば嬉しく思います。自分もこうして失敗を形に残すことで、この反省を踏まえ次のステージではもっと良い時間や人生の過ごし方ができる気がしています。最後になりましたが、この4年間で出会った全ての人は私のかけがえのない宝物です。特にご指導いただいたスタッフの皆様、活動を応援してくれた両親には本当に感謝しています。この4年間で得た学びと人との繋がりを糧に、卒業後も精進して参ります。ありがとうございました。
次のダイアリー担当は3年DF赤坂泰成です。たいせいは味方の人数状況を気にかけることなく、果敢に敵FWに詰め寄る非常にエキサイティングな選手です。そんなプレースタイルから“ごく稀に”大ピンチを招き、ベンチでコーチが憤慨しておりますが、そのコーチの姿を見て他の選手はより保守的にプレーをすることができるため、守りのチームである弊部には欠かせない存在です。プレーに引けを取らない、エキサイティングなダイアリーを期待します。それではたいせいよろしく。