チームダイアリーをご覧の皆様、お世話になっております。

 

先日の大東文化大戦でハットトリックを決めた弊部のエース、4年永田誉より紹介頂きました、4年FWの箭野駿太郎です。

 

誉とは、1年生の頃、「洗濯物事件」を始め、些細な事で争いを繰り広げた為微妙な雰囲気が漂い、以来、彼一番の特徴である『ツンデレ』が僕には偶にしか出てこなかったので、イマイチ距離感が掴めないまま気がついたら4年間が過ぎ去りました。しかし思い返してみると、何日にもかけ徹夜しながら一緒にゲームをやり続けたり、風呂で遊んだりと、彼との濃い思い出も少なからずある事に気がつきました。いつか、距離感が正常化した暁には、彼との唯一の共通の趣味である「豚星。」でも食べに行きたいなと思っています。

 

さて、最後のダイアリーという事で、何を書くべきかとても迷っていたのですが、最後に、周りと比べれば短すぎる、しかし僕の中ではとても充実していた7年間のホッケー人生について赤裸々に綴らせて頂きたいと思います。稚拙な文章となり大変申し訳ありませんが、最後までご一読いただけると幸いです。

 

 

今回ダイアリーを書くにあたり、この7年間を色々と振り返ってみると、様々な思い出が浮かんできました。初めてスケートを履いた日、武相戦で得点した瞬間、自分のミスが原因で敗れた日、くだらない思い出も、2度と経験したくない程辛かった思い出も、山程溢れてきました。

その中でも、自分にとって一番印象に残っている瞬間について考えていたのですが、

 

やはり、大学1年時に経験した、43年ぶりに『早慶戦で勝利を上げた瞬間』が最も印象に残っていました。

 

自分の功績などではなく、入部直後に味わった、当時の偉大な先輩方と同期が成し遂げた瞬間が、最も印象に残っているというのもおかしな話ですが、それでもやはり、あの瞬間は自分にとっても格別でした。

 

そして、あの歴史的勝利をベンチの外から間近で体感して、

 

「この感動をもう一度、今度は皆と一緒に氷上で味わいたい」

 

と想い、覚悟を決め、4年間を過ごしてきました。

 

正直、この4年間は苦労の方が多かったのですが、それでも、

 

『積み重ねてきた経験』 という絶対的な壁を、

いつかは乗り越えられると、理想の先輩の背中を追い、色々と周り道をしながらも自分なりに模索し続けてきました。

 

ですが、いつのまにか最上級生となり、引退まで残り1ヶ月となった今振り返ると、今の自分では、当初思い描いていた理想の姿とは程遠いなとも感じてしまいます。

 

当時の予定では、経験の差など無くなるくらい、もっと上手になって、試合に出ているつもりでしたし、その為にウエイトも挙げ、陸トレでは前を走る、文字通り『背中で引っ張れる』選手になっているつもりでした。

 

入部直後に書いた、1年次のダイアリーでは、

 

「高校で初めてスケートを履いた人でもトップリーグで活躍する姿」を見せる。とさえ宣言しました。

 

 

4年間を通して、自分がそんな存在に慣れているのか、正直分かりません。

 

そんな、「理想の姿」になれなかったのは恐らく、自分の努力不足が原因だったり、あるいはもっと根本的に、何か大きく変えなければいけない事があったのかも知れません。

 

それでもチームの為に、自分が活躍出来るフィールドを見つけ、自分なりに努力してきたつもりでしたが、やはり最後まで自分には

 

『経験の差』

 

という壁が、立ちはだかりました。

 

 

 

今になって気づいたのですが、もしかしたら、

 

それは、きっと、超えられるものではなかったのかも知れません。

 

 

しかし、それでも、分かっていても、挑み、闘い続ける。

 

だから、『アイスホッケー』という競技がこんなにも面白く、そして、そんな挑戦を理解し応援してくれる空気感に包まれた、慶應義塾體育會スケート部ホッケー部門という組織だったからこそ、ここで過ごした4年間がこんなにも充実していたのかな、とも思います。

 

 

改めて、伝えさせてください。

 

 

塾高でホッケーを始めた人たちが、入部にあたって、実力面で足りないのではないか、あるいは、自分には出来ないのではないかと悩む人がこれから先も多く出てくる事でしょう。

 

その時は、諦めずに、『挑戦』してみてください。

 

このチームには、そんな「挑戦」を暖かく受け入れてくれる環境があり、文化があります。それは、大西監督を始めとした、スタッフ陣、山中信雄コーチ、山中武司コーチ、アイスホッケー三田会の皆様、そして歴代の諸先輩方が創って下さった、「良い伝統」なんだと思います。

 

これからも、この「伝統」を大事に、受け継いでいって欲しいと思います。

 

活躍する姿では魅せることは出来なかったかもしれませんが、これが引退を間近に控えた、自分の本心です。

 

 

長々と駄文にお付き合い頂きありがとうございました。

 

現在、弊部は秋季リーグ戦を6位で終え、本シーズンも、残すところインカレと早慶戦の2つとなりました。そして、インカレ2回戦ではリーグ戦優勝校である東洋大学が相手という事も発表されました。

 

3年DF井口も抜け、厳しい戦いが予想されますが、振津が戻ってきた今、このチームならばジャイアントキリングを、歴史を変える事が出来ると信じています。

 

無観客とはなりますが、弊部の應援の程、宜しくお願い致します。

 

 

次回の担当は、4年DF岩垂彦樹です。

 

彼とは塾高で一緒にホッケーを始め、同じ初心者組として、7年間一緒に過ごしてきましたが、ただの、めちゃめちゃ良い奴でした。いつもストイックに努力している姿を一番近くで見てきたからこそ、最後に、げんきの努力が報われて欲しいなと実はいつも思っています。

 

それでは、彦樹、最後のダイアリーよろしく!!