チームダイアリーをご覧の皆様、こんにちは。新入生GKの河合から引き継ぎました3年FW林 宏樹です。
彼の紹介に「人に優しく、筋肉に厳しい」、とありましたが、実際のところ僕はそこまでではなく部内にはもっと筋肉に厳しい者がたくさんいます。
 
そんな新入生GK河合ですが、初めて彼のプレーを見たときそのプレースタイルが僕の好きなNHLチームLAキングスのGKジョナサン・クイックに似過ぎていて衝撃を受けたのを覚えていますが、僕は彼について印象に残ってることがもう一つあります。それは先日行われていた春トーナメントの中央大学戦です。その試合は彼の好セーブに助けられるシーンがたくさんありました。第3ピリオド5点ビハインドという苦しい状況の中、中央大学の高いスキルとスピードについていくのに必死で僕はかなり一杯一杯になっていました。そんな中ディフェンスゾーンでフェイスオフにつこうとした瞬間彼が、「最後まで頑張りましょう!」と一言発しました。僕が大した攻めもできずにピンチをしのいでもらっているばかりにも関わらずそのような言葉を聞いて、守ってくれている彼のためにももっと頑張らなくては!と一杯一杯であった状況から少し冷静になることができました。そんな深い意味を込めて言ったのかはわかりませんが、自分としてはとても勇気をもらったのを覚えています。これからもそんなチームにいるGKたちが守ってくれた分、攻めでその頑張りに応えられるよう自分としても頑張っていきたいと思います。
 
前置きが長くなりましたが、去る7日、早慶戦が開催されました。開催にあたり多くのご支援をいただき誠にありがとうございました。結果は0-6と沢山の応援が駆けつけてくださった中不甲斐ないものとなってしまいました。第1ピリオドの大量失点が最後まで響くというとても悔しい結果でした。しかし、2,3ピリオドは互角とも言える試合運びをすることができ、今年のチームは一度盛り返せば崩れない、という収穫もある春シーズンとなりました。またこれから厳しいトレーニングなどが始まりますが、今回の6点差を埋めるためだと思いみんなで取り組んでいきたいです。
 
さて、チームダイアリーの本題に入りたいと思います。今回のタイトルの「生観戦」ですが、先日あるショッピングセンターに行った際、コーヒーを買おうと列に並んでいると、後ろに2m級の外人の巨人3人が並んできました。ものすごい体格をしていたので明らかに何かのスポーツ選手だと思い探っていると、背負っているバッグに「Water Polo Australia」の文字がありました。水球のオーストラリア代表の選手たちです。こんな人たちがいるということは近くで何か大会が開催されるのかと思い調べたところ、10日から横浜国際プールにてワールドリーグたるものが開催され、大会3日目には日本代表vsオーストラリア代表という組み合わせがありました。水球は大学の体育の授業でやったことはありますが、ちゃんとした試合をみたことがありませんでした。あの体格の選手がどのようなプレーをするのか興味がわいたので、行ってみることにしました。水中という人間の動作が限られる環境で行われるスポーツなのであまり激しさなどは期待していませんでしたが、そんなことはありませんでした。ゴール前での攻防戦はアイスホッケーにも劣らずの激しさであり、選手たちがお互いに相手を溺れさせるかのように取っ組み合いをし、ゴール前で決定機を作られないよう戦っていました。結果としては5-7で負けてしまいましたが、入れられては追いついてと、あの体格の良い相手に食らいつく日本代表の姿にとても勇気をもらいました。
水球は日本ではアイスホッケー同様のマイナースポーツです。先ほども述べましたが日本代表は32年ぶりにオリンピック出場するため、僕はオリンピックをTVで観ることが大好きなので、今年のリオ大会で観る競技が一つ増えたことが嬉しかったです。
 
ここでお聞きしたいのですが、このチームダイアリーをお読みの皆さんは最近スポーツ観戦のためにスタジアムなどに行きましたか?
最近は野球、サッカーなどテレビ中継がされているので「スタジアム観戦はお金がかかるし、混んだり大変だしテレビで観ればいいや」、という方も多いのではないかと思います。
確かに、自宅というくつろげる場所で周りの環境に左右されずに観戦できるという面でテレビ観戦もとてもいいものです。しかし、どんな時代になっても生で観戦することは本当に素晴らしいことだと思います。
 
例えばモータースポーツのF1だとどうでしょうか。テレビ中継であれば、ラップごとのタイムが詳細に分かったり、またピットやドライバー目線のカメラもありレース全体を見渡すことができます。それに比べて生観戦はどうでしょう。サーキットの1区画に席が設けられ、レース中はそこに座って前を過ぎていくマシンを観ているだけです。確かに、順位などもよくわかりませんし、テレビ中継のようにレース全体は見渡せません。しかし、あのマシンが時速約300kmで通り過ぎていったときのカミナリのようなエンジン音、煙っぽい燃料の匂い、レースの状況がよくわからなくてもこれらの要素を堪能できるだけで観戦する意味があります。
アイスホッケーであればNHL級の選手がぶつかり合ったときは地響きのような音がします。衝撃が観客席にまで伝わってくるほどです。
テニスであればプレー中は沈黙となりただただボールを打つ音、選手の息づかいや緊張感がビリビリ伝わってきます。
 
スポーツ観戦において話してきましたが何もこれはスポーツに限る話ではありません。音楽のコンサートや演劇なども同様のことが言えます。インターネットでダウンロードするだけで音楽が聴けるようになり便利になりましたが、そんな中コンサートに行き、会場と一体になりながら生の歌を聴いていると心に響くように聞こえ、例えそこまで好きではないアーティストだとしても、終わってみればファンになっているなんてことは良くあることです。
このように、生観戦、生鑑賞の力はものすごいのです。
 
ここで少し話は変わりますが、アメリカ人はスポーツが大好きという印象を僕は持っています。
4大スポーツのうちの1つであるNFLは言わずと知れたアメリカNo.1スポーツであり、スーパーボウルは約1億人がテレビ観戦すると言われ、カレッジフットボールも絶大な人気を誇ります。
MLB(野球)もアメリカの国民的娯楽と言われ、国民的娯楽と言われるとおり30球団の年間の総観戦者数は8000万人超で世界で一番客の入るプロスポーツです。 
NBA(バスケ)もアメリカのスポーツとしては全世界で人気があり、NCAAのカレッジバスケは「3月の狂乱」(March Madness)と呼ばれていてファイナル4のチケットは、販売から15分も経たずに完売する程の人気です。
サッカーはあまり人気がないと言われていますが、なんだかんだでサッカー人口は世界一です。(最近は中国が1位かもしれませんが、人口が多過ぎるので)
なぜアメリカ人はこんなにもスポーツが好きなのでしょうか?
答えは、アメリカではスポーツが文化として根付いているからなのです。
それは、上記のような4大スポーツが一年中にうまく配置されていることも大きな理由です。そうすることで一年中国民を飽きさせないようなっているのです。
さらに、ESPNを始めとするスポーツ専門局が24時間情報を流し続けているのもファンの興味を維持する意味でも大きな役割を果たしています。
僕はアメリカがスポーツで強い理由はこの文化の深さにあると思います。単に選手の人種が違うから、体格に恵まれているからという問題ではないと思います。
 
それと比較すると日本のスポーツ文化はまだまだ未熟です。未熟どころの騒ぎではないのです。
ではどうすれば日本のスポーツ文化は成長するのでしょうか。変わらなければならない要素は多くありますが、その中でも重要なのは我々観戦する側の人なのではないでしょうか。
それが先ほど述べたようにテレビ観戦するだけでなく、たまにはスタジアムに行って生観戦しよう、ということなのです。我々が積極的に観戦しに行くことでそのスポーツも盛り上がり、そのスポーツに対する予算なとも増え、結果日本のスポーツが強くなるのです。
そうすることで日本のスポーツ文化は成長するのではないでしょうか。
日本のスポーツの未来は我々観客に懸かっているのです!
 
...とアツくなりましたが、僕はスポーツ振興団体の一員でもなく、ただ今年開催されるリオオリンピックが楽しみなだけです。オリンピックにはいつも何らかのドラマがあります。
ですが、ここで書いた生観戦についての魅力は確かなものであり、2020年には東京オリンピックも控えているので是非みなさんこれを機にスタジアム、またはコンサート会場などに足を運んでみてください。
少々どころか、とてつもなく長くなりましたが、最後まで読んでくださった方はありがとうございました。(この話題は書こうと思えばまだ書けます)
 
次の担当は、「筋肉に厳しく、筋肉に厳しい」2年金谷遥です。私はそれほどでもなく...みたいな謙遜は禁止でお願いします。
では金谷、よろしく!