こんにちは。

篠田に続きラストブログとなりました、法学部法律学科4年の新保です。

 

高校葉山に入部してから6年と5か月、9月10日(日)の代交代をもって引退しました。

本当にあっという間でした。

 

 

高校1年生時の僕たち

 

大学4年生時の僕たち

 

改めて見ると皆と比べて7年間で僕はあまり変わってないですね。

 

引退してから何分まだ2週間くらいしかたっていないので先輩方の言われていた喪失感はまだあまり感じていませんがこれからのことを考えると少し寂しいです。

 

さて、この夏合宿のことについて。一番記憶に残ったのは自分の泳いだ第2遠泳ではなく、学責を務めさせていただいた第1遠泳でした。

 

この遠泳に対する想いについて、話は1年前に遡ります。三津―興津の第1遠泳に挑戦し敗れた夜に僕は第1遠泳への挑戦をあきらめる決意を固めたのを覚えています。

 

リタイアして船に上がった当初は当然いつものように悔しさと情けなさとで心がいっぱいになり、必ず来年こそはリベンジすると固く自分に誓いました。しかし、その誓いはゴールを見届けて陸地についたときに揺らぐこととなりました。

 

矢沢が泣きながら来年も泳ぎたいと言っている姿を見たとき、僕は自分の誓いの価値はその涙に劣ると感じました。高校時代から長い時間を共にして部のために、自分の理想のために誰よりも情熱を持ち時間をかけてきたその姿を見続けてきたからこそ、その矢沢が計画に専念するため第1遠泳を来年は泳がないという想いを覆して来年も泳ぎたいと言っている姿を見たとき、自分が諦めてでも矢沢が、他の挑戦者が完泳できるように尽くしたいという生まれた想いが自身のリベンジを上回ったのを覚えています。

 

そして挑戦のために努力する後輩たち、最後の年にかけて手を尽くす同期を見てその想いはさらに強くなり、なんとかして全員が完泳できるよう必死に考えました。何なら遠泳数日前からは人生で一番頭を使ったかもしれないです笑

 

ただ、それでも完泳に貢献は出来ませんでした。スタートから11時間30分、16:30をもって洋上でのゴールとなってしまいました。どれだけ必死に考えても想定が足りなかったこと、アドリブでの判断を間違えたこと。そういったものの積み重ねで沢山の人達の想いを遠泳の失敗という形で裏切ってしまった。

 

その大きすぎる失敗を僕は生涯忘れることは出来ないと思っています。悔しいと泣いていいのはベストを尽くすことができた人だけだと思うからこそ泣いてはいけないと思いながらも自分でも涙を止めることができなかったことが1か月経った今でも鮮明に思い出せます。

だからこそこの失敗を自分の、自分たちのものにとどめることのないようしっかりと資料として後世に残していきます。

 

そして同時にいかにこれまで学責をされてきた先輩方が偉大であるかを思い知らされました。

 

本当にこの部には人間的に成長させてもらいました。

貰ってきた沢山の経験が、沢山の言葉が糧になりました。

                                                          

その中で、引退する今になって思い出した、先輩から僕たちに贈られた一つの言葉があります。

                                                          

How bold one gets when one is sure of being loved.

 (愛されていると確信している人間はどれほど大胆になれることか)

 

というドイツの精神分析学者のジークムント・フロイトの言葉です。

 

当時の僕にはなぜこの言葉が贈られたのか全く分かりませんでした。もしかしたら深い意味は別になかったのかなとも考えましたが今は自分なりの解釈が出来るようになりました。

 

自分を受け入れ、必要としてくれ、共に歩んでくれた葉山部門という僕にとって安らぐことの出来る帰る場所。言わば自分を愛してくれた人達がいたからこそ自分であることができたこと。

 

人と深いつながりを保ち続けることが不得意でどこか諦めていたような自分を受け止めてつなぎとめてくれた葉山との関係を自分の中で言葉にするときにとてもしっくりと来ました。

 

そんな僕が愛した、僕にとって自分でいることの出来るこの場所のために僕は何を残すことができたのだろうか。

決してスイマーとして実力があったわけでもなく、泳法がうまいわけでもなく、部の中心として回すことができたわけでもない、そんな僕が何を残すことができたのか。

 

それは僕にはわかりません。

それでもこの6.7年間の自分のしてきた何かが次世代につながっていってくれればと願っています。

 

北島監督をはじめコーチや先輩方、鈴木先生や島影さん、保護者の方々、館山の地元の方々、体育会の方々や他部門をはじめ、僕たちの7年間は本当に沢山の方々のご厚意によって支えられてきました。心より御礼申し上げます。

 

自分でも不思議なくらい書きながら様々な感情があふれて駄文になってしまいましたが、せっかくなので最後に後輩たちに一つの言葉を贈りたいと思います。

 

 

Carpe diem。沢山の迷いや悩み、苦しみがあると思いますが、ありふれた今という特別な瞬間を楽しみ尽くして乗り越えてください。優秀な君たちならきっと部をいい方向に進め、失敗も困難も笑い話にすることができるから。