音楽半生記⑧北新地時代1 | 松本景の Pianissimo diary

松本景の Pianissimo diary

音楽の事、お寺巡り、猫との暮らしなど、日常の些細な事まで、徒然なるままに記した日記です♪

きっかけは、何かの紙媒体でピアニストの募集を
しているのを見て、若干投げやり?というか、
ダメ元な心持ちで応募したのがきっかけでした。
そもそも、そういうお店のピアニストというのは
大半が女性ですから、実際ダメで元々くらいが
正解だと思います。

そこは小さなメンバーズ制のピアノラウンジ。
ママとチーママが姉妹で切り盛りする、
女の子がつくお店でした。
とは言っても、女の子に対してお客の悪ふざけが
過ぎると、容赦なくママの制裁がくだる(笑)お店です。
ただ、そもそも僕はお酒が全くダメなので、
スナックすら行ったことはなく、この手のお店には
全く耐性がありませんでした。。。

面接時には、「Eyes On Me」というFINAL FANTASY Ⅷの曲を弾いた…と思います。
予想を裏切るかたちで、即採用、
その場で初出勤の日が決まりました。

書店員との掛け持ちの1年程は週に2日、
ピアノを弾きに行きました。
1時間に15分~20分程ピアノを弾いて、
あとはカウンター内にいます。
カラオケの機械もあるお店でしたが、
お客さんによってはピアノ伴奏で
歌われる方も居て、伴奏もよくしていました。
辞典のような分厚い
"歌本"(メロディと歌詞、コード記号だけ、
あるいは歌詞にコード記号だけが
書かれている簡素な譜面集)を何冊か購入して
お店に置いていたのですが、
半分以上知らない曲でした。

年代の上の方によっては、石原裕次郎さんや
小林旭さん、グループサウンズや演歌等々を
リクエストされる方も居られて、知らない曲でも
初見で即座に弾かなければならないのですが、
幸いそういう技術と知識は入っていたので、
何とか伴奏していました。おかげで、
技術的にも、音楽的にも、とても勉強になりました。
大変修行になったと思います。

あと、売り上げとか数字ではなく、実際に
そういうお店において人気のある曲というのも
勉強になりましたね。
勿論世代によるばらつきはあるのですが…

何と言ってもサザンオールスターズは偉大です。
弾いた回数は間違いなく1番多かったと思います。
あとは松山千春さんや浜田省吾さん、
長渕剛さんなど…
後は大阪ならではの曲や歌手、たかじんさんや
上田正樹さん、桑名正博さんや河島英五さんなども
人気でした。
少し若い世代になると、ミスチルやシャ乱Q、
当時はコブクロなども。
あくまでも"そういうお店"
での愛唱度ではありますが…。

そういう大衆的な音楽の在り方は、
ビジネス音楽の側面から少し離れた、
人肌の温度を感じるものでした。

次回に続く