高気圧酸素治療 ~高校野球で使われた酸素カプセルとの違い | 臨床工学技士の医療サブノート

臨床工学技士の医療サブノート

医療関係のニュース・情報を自分なりに勉強中!

最近、仕事で高気圧酸素治療に関わることになりました。

すでに2,3回指導を受けており、もう少ししたら独り立ちになりそうです。



高気圧酸素治療は健康保険で受診できる保険適応にもなっており、

・腸閉塞(イレウス)

・骨髄炎

・急性一酸化炭素中毒

・減圧症(潜水病)

などの症状に適応されます。



ただし、保険適応になるには2絶対気圧、かつ1時間以上の条件下で

酸素の吸入すると決められています。


つまり密閉した空間の中の酸素100%もしくは大気(酸素21%)に圧力を加え、

酸素を体内に取り込みやすくし、隅々まで酸素をいきわたらせることを

目的とした治療です。



以前、斎藤佑樹選手(日本ハム)が甲子園に出場したときに、

酸素カプセルにより疲労回復していたと話題になりました。



この「酸素カプセル」は高気圧酸素治療より圧力は低く、1.3絶対気圧程度までです。

なので治療というよりやはり「疲労回復」が目的ですね。




高気圧酸素治療の場合、かなりの圧をかけますので患者さんには

「耳抜き」という動作をしてもらわなくてはいけません。

これは得手不得手があるようで、できる人はすんなりできますが、

できない人はつらい治療となります。


要は新幹線に乗っていてトンネルに入ったときのあの耳のキーンとする感覚、

あれが圧力をかけられた状態です。その状態を解除するのに耳抜きが必要になります。


耳抜きの方法は

・欠伸をする

・つばを飲み込む

・鼻をつまんで口を閉じ、「フンッ!」と圧力を加える


これらを行うと、耳と鼻をつないでいる耳管が開くため、

鼓膜の中と鼻の中の圧力が等しくなり、耳の圧迫感が解けます。



これができれば高気圧酸素は怖いものではありませんよ。