小さな娘の不安な心 | オーストラリア子連れ冒険記

オーストラリア子連れ冒険記

シングルマザーになり損ねた脳腫瘍を患った日本人ママが、子ども二人を連れてのオーストラリア珍道中冒険譚。

娘の問題行動を、問題だと

気付きながらも、何も

解決法が見つからず、

忙しい毎日に紛れて行きました。

 

英語学校では、勉強の合間に

時々、自国の料理をお互い

披露し合ったり、遠足やBBQなど

レクレーションで息抜きの時間が

設けられていました。

ある日の授業は、何でもいいから

映画を観て、感想文を提出という

授業で、朝、いつものように

グズグズ学校に行きたがらない娘に

「じゃあ、今日は学校休んで

一緒に映画観に行こうか?」と

言うと、大喜びでついてきました。

同じクラスのお友達は、話題作など

感想文の書きやすそうな映画を

選んでいる中、「娘とアニメ観るね」

と言って「Lilo&Stitch」という

ディズニー映画を観ました。

日本人クラスメイトは、それに付き合って

一緒にアニメを観てくれました。

娘は大喜びで、その時のリロのセリフを

丸暗記する位楽しんでいました。

 

「”OHANA” means ”Family”.

 ”Family” means 

nobody gets left behind

 or forgotten.」

(=「オハナ」の意味は「家族」

家族は、誰一人置いてかないし

忘れたりしない。)

 

父親や仲良しのお友達と離れ、

言葉も通じない異国の地で

母親も英語がたどたどしい事で

よく人にバカにされながら、

必死で時間に追われている。

きっと、そんな母親を喜ばせたい

と思いつつ、現実の自分は

毎日、何を言われているのかも

よく分からず怖くて泣いてばかり。

不甲斐なさと母親を想う気持ちで

学校で出来の良い自分を空想して

私に話していたのでしょうか。

 

その頃の娘は よく夢を見ながら

泣いていました。その夢は

「自分はロシアのお城に住む子。

ある日、お父さんが居なくなり、

お母さんも居なくなって、近所の

家族に助けられながら

一人ぽっちで生きている」

という夢だそうで、いつも

寝ている途中で、急に

「…うぅ…くすんくすん…」

と泣き出すのでした。

泣き寝入る娘を抱きしめながら

自分の余裕のなさと、こんな小さい

娘に 私の勝手な生き方で、

父親や友達とも離れた異国の地で

辛い思いをさせているのかも…

と、苦しい気持ちを抱えていました。

…それでも 日本に帰りたいとは

思えない自分が そこにいたのです…