シュトゥットガルト二日目は、ノープランだったので友達夫婦のお勧めコースに付いて行くだけ。


シュトゥットガルトの

国立美術館

で12:00から学術員のガイドがあるからそれに間に合うように行こうと誘われ


絵画を観るのは私も夫も大好きなので

わーい、ありがとう(o^^o)

でもどんな絵があるんだろう?


と下調べもせずにいたら、

なんと、モジリアーニ展じゃないですか〜

(*゚∀゚*)


ボヘミアンで、絵が全く売れず、貧乏のどん底で非業の死を遂げた天才画家


『モンパルナスの灯』というモジリアーニの、ずーっと昔の映画があるのですが、子供の時見たことがあるようなないような?すごく可哀想な人だったというのは知っていて。( ; ; )でもモジリアーニの本物の絵はあまり見たことがなかったんです。


11:30に美術館に行ってみたら、

ガイドツアーはもう売り切れ、しかも去年9月に売り切れだったんですって〜Σ(゚д゚lll)


ARTEのモジリアーニのドキュメンタリー番組も上映されているので、まずそれを見ようという事になり、小一時間のビデオを見て下調べ完了。


世界中から集められた彼の作品約80点と、モジリアーニと交流のあった芸術家が並ばれ


すごーく見応えがありました!!!∑(゚Д゚)


ドイツにはモジリアーニの絵は4点しか存在しないというのですから、この展示の気合いの入れ様が分かります。∑(゚Д゚)(日本の小原美術館から来ている絵、黄土色のセーターを着た妊娠中の奥さんの肖像画もありました(o^^o))


彼は一時期カリアティードという、神殿の天井を支える女性の像に凝って精力的にデッサンして彫刻までしていた事があったんです。当時アフリカ、アジアのお面やら彫刻というのは未開の物と下に見られていたのですが、モジリアーニはとにかくそれに魅了されてしまったらしいんですね。


↓一連のモジリアーニのカリアティードのデッサン



そのデッサンは、当時、パリ、モンマルトルのbateau-lavoir(洗濯船!)で一緒に活動していたピカソにも影響を与え、それが後々ピカソの『アヴィニョンの娘たち』になったらしいんです。


↓ピカソのデッサン



でもモジリアーニはキュービズムには行かず(ピカソの事も好きじゃなかったみたい)、元々若い時に結核を患って虚弱体質だったのもあって(第一次世界大戦の)兵役も免れ、故郷のイタリア、リヴォルノに帰って女性や子供の肖像画をたくさん描き、パリにまた戻って活動、1917年12月には裸婦像の個展を開くも



淫乱すぎるという理由で警察に中止させられ、売れたのは僅かデッサン2枚のみ30フランだったんだそうです。(TT)


19歳の美大生だったジャンヌ・エビティエンヌをモデルに描いた裸婦像は、モジリアーニの画家としての集大成とでもいうべき作品です。フィレンツェ美術学校で学んだの正統派絵画を踏襲するポージング、カリアティードの習作で培った曲線とデフォルメ、数多くの肖像画を描いてきたのですから表情はお手のもの、とにかく魅力的です。







大胆なヌードですが、私はちっともいやらしく感じないんですが?女性を性の対象としてではなく、むしろ、健康な肉体を堂々と自然に見せ、自信を持ち、意志のある美しい『女性』に尊敬を込めて描いている、そんな風に見えるんですが。


でも、この後彼は結核が悪化して貧乏と失意の中、35歳の若さで亡くなってしまうんです。14ヶ月の長女と妊娠8ヶ月のジャンヌを遺して。


ジャンヌはモジリアーニが亡くなった翌日に等身自殺を図りました(享年21歳)。モジリアーニの絵を全部?持っていた画商だけがそのあと一人で丸儲けです。モジリアーニの遺児に少しは財産が行ったのかな… 


シャルル・アズナブールという昔の歌手の

ラ・ボエームという歌があるのですが、(ネイサン・チェンがオリンピックのショートプログラムに使っていました。あ、フィギュアスケートの事です。(o^^o))それを聞くとまるでモジリアーニの事みたいだなって思うんです。



皆若く、アルコール、薬漬けの破茶滅茶な生活で、お金がなくていつもお腹を空かせていて、でも夢だけはあった、成功を信じて、希望だけは捨てなかった。健気で懸命で、でも自暴自棄で傷付きやすい、危うい青春時代。


(歌にアルコールや薬のことなんか出てきませんよ。^_^; )


モジリアーニたちは最後のボヘミアンと言われていたんだそうです。


余りにも可哀想…報われず、それでも命を削って作り上げた芸術が、今こうして残っているんですね。


友達夫婦は3時間見た後、

そろそろここを出てソリトュード城に行かないと、時間が足りなくなるよ!と

次の見学コースへ移動を促したのですが、

私達はこのまま国立美術館の常設展を見たいから、と言って別行動。


常設コーナーにはさすがドイツ人画家の展示、特に表現主義が充実して、キルヒナー、ノルデ、マッケ、カンディンスキー、オットー・ディクス、マックス・ベックマンこちらも見応えたっぷりでした!


2時間後にキューブというガラス張りの真四角なおしゃれな建物のカフェで待ち合わせました。こっちも実は現代アート中心の美術館なんです。


キューブ(クンストミュージアムシュトゥットガルト)


彼らはソリトュード城の他、息子さんの下宿先に届け物も済ませたそうで、私達の何倍も行動的!さすがです〜(*_*) 


御礼を言って、彼らは家路へ、私達は本来の目的のため、もう一泊したのでした。


きっとまた一緒に来る事があると思う!(*≧∀≦*)


最後まで読んで頂き、ありがとうございました♪