ついに山根さんも辞めたね。
最初から潔く身を引いていれば、こんなにみじめにならなかったのにね。
なんといってもルックスがあれではね。
次は田中さんの番かな。
医学部は、今なら日本大学が目指し時だろう。
それにしても、賄賂・点数操作疑惑・女性差別など、次々と暴かれていく東京医科大学の疑惑は、医療崩壊の背景にもなっている、根深い問題らしい。
勧善懲悪役に群がるマスごみたちの醜くさ。
越後屋・ワル代官に水戸黄門。
この構図は、今も昔もなんら変わってない。
わんさかいる、弱みを握られた奴、良心の呵責に苛まれている輩。
その中の一人が、私の地下リングに、今日も懺悔のために尻を晒しにきた。
今ここに一緒に眠る、私と栄子は、ひょんなことから。
栄子は言う。「けいこは順子と芳江を足して割ったようよ。お顔もボディも」
私は言い返す。「栄子は、順子と奈保子を足して割ったのよ。お顔もボディも」
お互い、昭和生まれで昭和臭いスタイル。
順子とは、かの有名な三原じゅん子先生、芳江は柏原芳恵。
順子と芳江って言われたのは驚き。
自分はルックスは桃井はるこ似って思ってたのにな。
「やあ、栄子。あなた、お友達ですか?」
「・・・」
「はい、けいこです。」
栄子は急ぎ足で逃げてきた。
そのストーカー男に追いつかれる直前、たまたますれ違いで鉢合わせたのが私。
栄子の片目が助けを求めていたから、とっさに連れを装ったのがきっかけ。
栄子は、外資系金融会社で、今年度に晴れて部長に昇進した。
だけど、以前から怠惰な部下たち、パワハラ副支店長、セクハラ大口顧客に苦しんでいる。
ストーカー男とは、支店長の威を借る大口顧客のボンボンである。
最近、さらにエスカレートしてきたらしい。
「雄太」というその男は、私にはまあまあの中年メタボにしか見えない。
確実な出世のためだったら、一回ぐらい女使ってやってもいいかなあぐらい。
栄子は、絶対赦せないという。
さんざん嫌な思いをさせられたのだろう。
週末のダンスパーティに副支店長と部下と一緒に参加予定になってる。
その夜が怖い。一緒に来てほしい。素敵なダーリンがいればいいなあなんていう。
よくわかる。よくわかるよ。
赦せない。
絶対に赦せない。
私が、必ずギャフンと言わせてやる。
栄華や栄誉・金などには縁のない者にも、強力な武器が備わっている。
それは、「失うものが何もないということ」。
私には更に、
不撓不屈の「信念」と、鍛えた「肉体」
そして、この週末、栄子とともにダンスパーティへ。
私は、体当たりで勝負することになった。
今ここに一緒に眠る、あなたのために。