「わあ、けいこ。ありがとう。」
「ちゃんと戻ってきたわよ。」
「ケガしなかった?けいこ」
「うん、大丈夫よ。」
「お風呂入ろうよ。」
「うん。」
「私のために、、、」
「いわないって約束よ。」
「だって、、、」
「私の中を、洗ってよ。」
「うん。」
私は、無事、事を終えて、栄子のマンションに戻ってきた。
以下は、栄子には、当面の間 秘密。
/////
勝負の日
勤務を終えて、職場の更衣室で着替え。
清楚な白のノースリーブワンピース。
安価な自前の縫製だけど、自慢のフレアミニ。
エレガントなストレッチ素材の扇形を朝顔の花のようにつなげてある。
ラフで、胸や肩の露出はまあまあだけど、ウエストから腰まで、体形がきちんと出てる。
少し光を反射するのでパッと見ではわからないけど、
すぐそばでじろじろ見れば、胸と腰の部分は三分の一ぐらい透けている。
裾は二円周で、朝顔の花2つ分。
うっかり地下鉄の吹き抜けの上に立ったら、マリリンモンローの名場面ですわ。
コットン純白のひもブラ、コットン純白のひもパン、ストッキング脱いで、自慢の生足。
これら、体形に自信のない私の、勝負アイテム。
多くの女性は女を守っているところ、私は攻撃の武器にしている。
男に対抗するため、物理的には、これしかない。
なんという、罪深い因果な事よ。
でも、真実のの仏法では「煩悩即菩提」っていうのだ。
現地集合は、豪華なホテル会場。
栄子たちと待ち合わせてから入場。
支店長・副支店長、栄子の部下たちとあいさつ。
「今日は、よろしくね。」
男どもはみんな、タキシード姿。
女どもは、華やかなドレス。
栄子も社交ダンスにふさわしいドレスで決めている。
見劣りする私。どうみても場違い。
でもこれ私の ありのまま。
貧乏育ちで、しかたがないのよ。
栄子は副支店長に手を差し伸べられ、見事なペアで、見ごたえのあるダンス。
一方、ひとりでお腹を満たしながら、グラスを片手に、雄太の目を引くところでモンローウォークの私。
例の雄太は、他の女性たちと踊りながら、お目当ての栄子を誘うチャンスをうかがってるよう。
タキシードを着た雄太は、案外イケメン。
最初に出くわしたときや、栄子のスマホにあった画像とは大違い。
ひとりでいる私に、
「是非、ご一緒してください。」
声かけしたのは。イケメンのタキシード。
なんてステキなひと。
きっと、お慈悲でしょうけど。
けど、そもそも社交ダンスなんて縁がなかったから、うまく踊れるわけない。
誘導されて、曲が始まる。
不慣れな私を小声で巧みに操る彼。
そうだ、これをチャンスに覚えておこう。
彼にすべてゆだねる私。
彼の手は胸、腰やお尻に回りホーダイ。
私の手足も、素敵な彼の身体に、寄せられたり放たれたり。
リズムに合わせて自然に絶妙に絡んでいく。
大胆にウエストを寄せてひかれ、ターン決められて、華やかに宙に浮く私。
これはこれで、すっかりいい気分の私。
一時、本命を忘れて、いいお勉強。
3曲が終わり、彼から名刺とメアドを交換して、直後。
ついに声をかけてきた、タキシード雄太。
まるで順番を待ってたかのよう。
「とても貴重な、純白のアゲハ蝶さまですね。
実にお見事な羽ばたきでした。
はじめまして。あ、失礼しました。
いつかお目にかかりました雄太です。
次はぜひ、私のそばで、羽ばたいてください」
「私を捕まえてくださいますか。」
「是非とも。光栄です。」
これって、社交辞令。
さあ、これからが勝負だ。
雄太の手も大胆に胸、腰やお尻をとらえてくる。
私の手足も、勢いで雄太の身体に、ひとりでに絡んでいく。
雄太にすべてをゆだねる私。
強くウエストを寄せられ、ターン決められて、華やかな宇宙空間へ。
身に着けた一枚のワンピースも、どこへやら。
豪奢なシャンデリアを右に左に、可憐に羽ばたき続けてる私。
すっかり操られていい気分。
一曲終わっても、雄太は私を離さない。
二人はくっついたまま、次の曲へ。
何曲踊ってたのか、覚えていない。
飲んだワインが効いている。
いつのまにかパーティが終わっていて、
多くの参加者は会場を出ていく。
まだ密着して踊っているペアもいるけど、
明かりが少し落ちていて、栄子も見当たらない。
雄太に腰を寄せられたまま、会場のホテルを出た。
「もちろん、お送りいたします。
ゆっくり羽を休めてください。」
引き寄せられるがままに、待っていたタクシーの後部座席へ。
車はすぐに高速に入って、しばし夜景のドライブ。
「今日は、ありがとう。」
「わたしも。」
「素敵な景色ですね。
「ご趣味は?」
「プロレス」
「ええ~!、今度、一緒に見に行きましょう。」
「うん。でも私、参加する方なの。」
「ひえ~。だからですか、可憐な舞でした。」
「コスチュームもブーツもそろえてますわよ。」
「私もプロレスに興味あるんですよ。どちらの所属ですか?」
「うふふ、教えない~」」
「桃のようなおみ足の間で、顔を締められてみたいですね。」
「ご要望に沿える機会がございましたら。」
いろんな話をした。
饒舌な雄太。
いつの間にか、
雄太の右手は私のウエスト。
上下に、微妙な誘いの動き。
ダンス終わってからも大胆だわ。
窓の外を見ながら、
私も左手を雄太の腰へ回す。
あはははは、ついに私は
蜘蛛の巣に、まんまとかかった アゲハ蝶
でも、いつか、私のリングへ招いてさしあげよう。
虚飾やストレス、良心の呵責、
満たされないフラストレーションなんかで、
汚いものが、いっぱいに
溜まっているに違いない。
すっかり出させて、すっきりさせてあげる。
/////
二人で降りた前には、しゃれた白亜の建物。
「お疲れでしょう。お部屋を用意しております。
少し、休んでいってください。」
彼のコテージ。
正確には、彼の親の別荘。
まあ、どっちでもいい。
中に入るとすぐ、
すっかり気分良くなっている私は、
雄太に軽々とお姫様抱っこされる。
っていうより、「おこちゃま抱っこ」って感じ。
雄太は、見た目は少しハゲでお腹が出ているが、
以外、マッチョな男だった。
広い部屋、豪華なシャンデリアの下の、広いダブルベッドが見えた。
ここから雄太が豹変。
いきなり耳を噛んで、串を刺すようなくちづけ。
「なにすんの!イヤ!」
「これをまってたのだろう。すべてわかってるよ。」
すでに準備万端だけど、
レディーのたしなみってのもある。
とりあえず、口だけの拒み。
これは、野獣の炎へ更なる油。
彼は、軟硬自由自在の舌。
私も自前の口で応戦。
奥歯で防御し、更に敵の口へ侵入。
「さっきのお望みをかなえてあげますわ。」
抱っこされている雄太の腰を両手の支点として180度回転、逆さになって、彼の顔を左右から挟んだ私の大腿。
そしてそのまま顔を締め上げ。
「おみ足は、筋肉もりもりですね。」
「レディーに対して失礼よ。」
「でも、この技って、よく効いてるけど、いい眺めですね。」
言われてみれば、私の頭は逆さになったチューリップの中。
ワンピの裾が大開きの花、フローリングへ完全について、視界を妨げている。
「さあ、僕のお返しです。いかがですか。」
バリバリバリ
逆さ体勢のまま強烈なベアハッグをうけた私。
次第に両手両足の力が抜け、彼の頭部はフリーになった。
このままパイルドライバされたら、完全にフィニッシュ。
「巨大で貴重な白い花の、とても太いメシベです。」
「どこまでも失礼ね。」
「もうすでに、盛り上がってますね。素敵な香りです。」
「チクショウ、おしべはどこだ。」
? 探しあてた右手
その瞬間、背中がバリバリバリ
長い滞空時間。
彼は自由時間を楽しむ。
私はそのまま無重力旅行へ。
頭から全身へ衝撃。
落下点は、ふわふわのベッド。
勢いよく、バウンドする。
軽い脳震盪。
ゆるいワンピは巾着状態。
いつの間にか、割れた腹筋、トラ柄ビキニの雄太。
その右手は高々と、私のワンピを放り投げる。
「僕ね、ラムちゃんが好きなのです。」
「そ~う、じゃあ、次はタイガービキニ着てあげるわ。」
正方形のビッグベッドが、二人の豪華なプロレスリング。
逃げのロープなどはない。
リングの下は フローリング。
ルール無用の 男女対抗デスマッチ
「さあ、次はこれです。」
私を襲う 強烈なベアハッグ。
そのまま 落としてアトミックドロップ。
髪をつかまれ ボディスラム。
足を取られて 逆エビ固め。
逃げるにも 頼れるロープなんか無し。
スキを見てひっくり返り
上向きになって、チャンス。
下からローブロー鉄拳。
そのままその手でロークロー。
「スキあり!」
私の頭を 跨いだまま
仁王立ちで 固まる雄太。
ルール無用だわ。
もちろん 手加減しているわ。
正直、これは効果なし。
ひゃ~ひゃ~、彼も準備万端。
まあまあ、当たり前ですか。
反撃クローを 楽しむ雄太。
続いて雄太に四の地固め。
でも、でも、なんか効いていない。
タイガービキニを捕らえてボディースラム
バウンドして、私も倒れた。
バーミヤンスタンプをおみまいする。
息できないはずだが、この技は、
喜ばしているだけかもしれない。
彼にとっては、お遊びレベルか。
そのまま返され、四の字の仕返し。
そして、彼のペースで次々と
キャラメルクラッチ
ロールアップ
ハーフボストンクラブ
レッグスプレッド
リング上は花が満開
耐えに耐え 忍びに忍び テンパるのみ。
そろそろ トドメに入るのか、
アルゼンチンバックブリーカー。
キリキリ軋む 頸・胸・腰椎
彼も当然、手加減している。
長い滞空時間の後、パワーボムを受け、大きなバウンド。
そのまま仰向け 丸め込まれてエビ固め。
「さあ、そろそろギブかな。」
スリーカウント そんなのない。
しばらく続く 堅いホールド。
「ノー」
ホールドを やっと解かれた 私はなんか、
力が抜け、心も抜けて 「大」の文字。
胸の上を グリグリする、雄太勝利の 右足さばき。
天井に 輝く眩しい シャンデリア。
おきまりのプロレスリング終了シーンか。
勝者の優越感、勝る敗者の屈辱感。
「長い前置きだったね。これからが本番」
「まだ、ノーだわ」
「デスマッチさ、望みどおりにしてあげる」
雄太は私を再びホールド。
その後、私の中心へ
おもむろに 突き破って入る 熱い串
私はついに、雄太の焼き鳥。
意外にビッグサイズの串だわ。
私を守ってた 四つのひも
気づかないまま、外されて、
結合の二人、しばしの沈黙。
勝ち誇る 雄太にすべて 身を任せ、
型通り 歓喜へ流れていくのか。
思惑通り、だけど私は消耗してる。
このまま歓喜へ 流れて終わりか。
栄子、栄子、ああ、栄子
限りなく愛おしい栄子。
すべては栄子、栄子のため、
ダメだったら、来世で 待ってるよ 栄子
/////
さあ、私は本命の、再反撃を開始する。
このまま食べられてなるものか。
太い串が深く刺さったまま、
雄太の腰を両脚でロックし、締め付けながら、腹筋で
斜め上向きに態勢を固定、雄太と目線を直に合わせる。
鍛え上げた骨盤底筋が、串をしっかり捕らえながら、
侵入したら吸い込んで締め上げ、
引き返したら振り付け締め付け。
リズムに合わせてヒップアタック。
「なんだ、まだやるか。」
「これからが本番よ。」
激しいバトル。
間断なき応酬。
吹きまくるイノシシの鼻息。
突きまくる狂牛の角。
彼も苦戦、場外へ降り立ち、
私の両脚を引きずりよせる。
熱いリングを鉄板として
更に串を刺された焼き鳥
シャンデリアが眩しい。
私は深く刺されたまま、
雄太の腰を両脚でロックし、再び腹筋で
斜め上向きに態勢を固定、雄太と目線を直に合わせる。
ここがお互いにとって、やりやすい。
力を抜けば、リングを頼れる。
焼き鳥は、串を裏返して 何回も焼かれる。
熱いリングの上で、ひっくり返される。
支点と力点は 尾てい骨
対する力点は 固く握った両腕。
ムキムキの 腕と腰のマッスルで
75㎏の串肉を、彼は軽々と裏返す。
串が入ったままの回転。
尾てい骨を 前へ突き、
同時に両腕を 手前に引き、
シンクロナイズド エアロビクス。
固めた躯幹と骨盤底筋で、私も串軸を、しっかり締め付け。
支点と力点は 恥骨と尾骨
対する力点は 固く握られた両腕。
95㎏の雄太で、私は軽々とひるがえる。
串を支柱にしたまま回転し、
両脚で雄太の腰をすかさずロック。
雄太が軸の ポールダンス
吸い込んで締め上げ、
振り付けて締め付け。
両腕に気合を入れて
尖った尾骨を後へ突く、
迫りくる 雄太の肉塊に
シンクロナイズド エアロアタック。
かつて受けたことのないプロレス技。
かつてやったことのないプロレス技。
頭髪と両手、同時けん引と連動した、
棍棒の躯幹から、炸裂する尾骨アタック
尾骨から脳天へ 貫通する衝撃、
痛みと裏腹、激烈な快感。
間断なき 攻撃と溺沈
串は5回転目、
雄太の左手が緩んだはずみに、回転軸が左へ屈曲。
「ぎぇえ!」
「ちゃんと根性 入れていろ。バランス崩れて 折れちゃうぞ。」
「なにを、小癪な小娘が!」
さらにリズムが速くなる
串は7回転して仰向け体勢。
各、後二十数回、前十数回のバトル。
さしあたり十数回のバトルで、気合を入れて更に回転と思いきや、
予想とは裏腹に、
ついに雄太が、絶叫して、果てた。
力が抜けておもむろに、覆いかぶさる雄太の肉塊
私の中で、愛を放ち 腹上死?
んなわけないだろう。
固く結合した肉塊。
終わった
ついに終わった激しいバトル
この中に、ついに雄太を うち沈めた。
♪女の子なんだもん、むすば~れることを ゆめみているわ~
幼児期によく聞いたアイドルの歌が、、、
なんだ、これは、つまり、
普通の、女の幸せ。
栄子、栄子、ああ、栄子
限りなく愛おしい栄子。
すべては栄子、栄子のため、
ダメだったら、来世で 待ってるよ 栄子
生物の本来の在り方は、子孫を残す行動にある。
これに深くかかわる行為ほど、歓喜悦楽が伴っている。
生物の、生物たる、生物本来の在り方。
だからこそ、繁栄するし、これがないと、滅亡する。
人類も例外ではない。
その行為それぞれは、関わった個体の未来を変えていく。
遺伝子やその産物を交わすことによって。
雄太の体液は私の未来を変え、
私の体液も、雄太の未来を変えていく。
命の営みとは、本来こういうものである。
汗や唾液も含む体液には、女性ホルモン・男性ホルモンや、その中に生きる細菌やウィルスも含まれる。
避妊により遺伝子本体はブロックされても、それ以外は交わされるから、その分だけ、確実に未来は変わっていく。
体液を交わすもしくはブロックするという詳細な性生活の濃淡が及ぼす未来は、性感染症や生活習慣病への影響だけではない。
前世紀から、医療関係者の間でささやかれているが、
発がんとの、詳細な関係もそのひとつ。
乳がん・子宮がんと、それぞれのパートナーとの性生活の関係など。
これらはエビデンスにすることが困難か不可能である。
人類は、子孫を残す行動に、文化的価値を付随させてきた。
多数の繁栄のために、秩序も同時に。
そのためにマイノリティは、文化的には長く犠牲になってきたが、
御世紀に入って、ようやく尊重されつつある流れである。
そして、子孫を残す行動そのものも、大きく変化しつつある。
ともあれ、偏見であれ権力であれ倫理道徳であれ秩序であれ、
多様な生物本来の在り方・行動に対して、抑制や破壊を繰り返し続けている歴史や現実に対し、真摯に目を向け声をあげなければならない。
「一服だよ。」
おもむろに雄太が蘇ってきた。
つづく。