花が終わり

鮮やかな色のまま

一枚ずつベンチに落ちていく


わたし もう散ってしまったんだねぇと

しゃがれ声の一枚が言う

誰もうなずきもしない


良い香りのままの

花の敷かれたベンチには

まだ夏を知らない木陰が

陽を遮り

夜を静かに待っている


Kei *木陰


*フリー写真より